アミラーゼ産生子宮体癌(内膜型腺癌)の臨床病理学的研究
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概要
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高アミラーゼ血症を示した子宮体部の内膜型腺癌(子宮内膜癌)2例につき臨床病理学的検討を加えた. 血中アミラーゼは腫瘍負荷をよく反映し, 腫瘍完全摘出例では, 血中アミラーゼは速やかに正常値となつた. アミラーゼアイソザイム分析では血中で唾液腺型優位, 腫瘍組織ホモジネート型には唾液腺型のみが検出された. 細胞診標本および組織標本を用いた酵素抗体法により腫瘍細胞中にアミラーゼの局在が認められ, 腫瘍組織による唾液腺型アミラーゼ産生と, その放出による高アミラーゼ血症が確認された. はたして, 子宮内膜癌でどの位の頻度でアミラーゼ産生が認められるか免疫組織化学的に検討した.子宮内膜癌手術例41例のパラフィン切片による検討では, 56%でアミラーゼ局在が検出され, 分化型で陽性率が高かつた. 陽性細胞数は各症例で異なり分化型では50%を超える例もみられたが, 低分化型では陽性例でも陽性細胞数は少なかつた. これらアミラーゼ陽性例では, 高アミラーゼ血症をきたした例はなく子宮内膜癌でのアミラーゼ活性測定は, 早期診断に役立たず, 治療効果のモニタリング, 再発のチェックに有用性があると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-10-01
著者
-
小野 大志
岩手医科大学産婦人科
-
松田 壮正
岩手医科大学産婦人科
-
村上 圭子
岩手医科大学産婦人科
-
斉藤 怜
岩手医科大学産婦人科
-
西谷 巌
岩手医科大学産婦人科
-
高山 和夫
岩手医科大学臨床病理
-
高山 和夫
岩手県立中央病院病理診断センター
-
高山 和夫
岩手医科大学
-
高山 和夫
岩手医大第一病理学
-
松田 壮正
岩手医科大学 産婦人科
-
村上 圭子
岩手医大
-
西谷 巌
岩手医科大学教授
-
西谷 巌
岩手医科大学医学部産婦人科学講座
-
小野 大志
岩手医科大学医学部産科婦人科学教室
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