卵巣癌I期における予後とSecond-look operation (SLO)の意義に関する検討
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概要
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卵巣癌I期におけるsecond-look operation(SLO)の意義を検討することを目的とし, 卵巣癌I期72症例の予後とSLOとの関連, 予後不良例の臨床的特徴につき解析を行い以下の結果を得た. 1. Ia期およびIb期32例中SLO施行症例は13例, 非施行症例は19例であった. 施行例はいずれもnegative SLOであり, 施行例および非施行例ともに再発例はなかった. 2. Ic期40例中SLO施行症例は23例, 非施行症例は16例で残る1例は早期再発のためSLOを行い得なかった. 施行23例中4例がpositive SLOであり, これら4例はいずれも予後不良であった. negative SLOの19例と非施行例16例には再発を認めなかった. 3. Ic期surgical rupture群(Ic(b))25例では再発を認めなかったのに対し, 非surgical rupture群15例中5例(33.3%)に再発を認め, 両群の生存率に統計学的有意差(p<0.05)を認めた. 以上より, I期卵巣癌においてSLOは診断的意義を有すると考えられたが, Ia期, Ib期およびIc期surgical rupture群では予後が良好であることから, SLOを行う必要性は少ないものと考えられた. 一方, Ic期非surgical rupture群では高率に再発を認め, これらの症例の予後改善のための努力が必要と考えられた. SLOの治療的意義は今回の研究では明らかではなかったが, 今後さらなる検討が必要と考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 2001-06-01
著者
-
西川 伸道
県立がんセンター新潟病院産婦人科
-
西川 伸道
新潟県立がんセンター新潟病院産婦人科
-
笹川 基
県立がんセンター新潟病院産婦人科
-
高橋 威
県立がんセンター新潟病院
-
笹川 基
新潟県立がんセンター新潟病院
-
本間 滋
県立がんセンター新潟病院産婦人科
-
塚田 清二
県立がんセンター新潟病院産婦人科
-
田村 希
県立がんセンター新潟病院産婦人科
-
高橋 威
新潟こばり病院
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