子宮頚部腫瘍に対するYAGとCO_2レーザー円錐切除術の比較検討
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概要
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外来でCO_2レーザー円錐切除術を施行した子宮頚部腫瘍39例と, 診断と年齢の類似したYAG レーザー円錐切除術を施行した37例を比較し, 両者の有用性について検討した. 1. 治療後から上皮化終了までに要した週数は, YAGレーザー群で5.7±0.8(N=35), CO_2レーザー群で5.1±0.9(N=39)となり, CO_2群の方が有意に早かつた(p<0.01). 2. 平均照射時間(分)はYAG群で9.8±4.2 (N=37, 最短1.9, 最長21.7), CO_2群で5.9±2.2 (N=39, 2.4, 11.7)とCO_2群の方が有意に早かつた (p<0.001). 3. 術中出血量(g)は同様に11.6±29.8 (N=37), 11.9±38.0 (N=28)で両者間に有意差は認めなかつた. 4. 初回治療成績では外来経過観察とした異形成(YAG群: 22, CO_2群: 23), 上皮内癌(10, 10), 微小浸潤癌(2, 5), 計72例は最短1年9カ月から最長5年5カ月間すべて100%と判定されている. なお, 追加開腹手術を施行した4例の微小浸潤癌はすべて残存病変や転移もなく, 現在再発は認めていない. 5. 副作用ではCO_2群において, 術中出血をコントロールできないためYAGを併用したものが, 10例, 25.6%, 縫合したものが8例, 20.5%だつた. また, 術後において創部からの出血に対し, YAG群の4例, 10.8%にガーゼ圧迫を, CO_2群の2例, 5.1%に縫合が必要だつた. 以上より両者とも一長一短はあるも, 外来レベルでの診断と治療を兼ねた優れた方法であることが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1992-09-01
著者
-
蔵本 博行
北里大学医療衛生学部臨床細胞
-
蔵本 博行
北里大学医療系研究科臨床細胞学
-
西島 正博
北里大学医学部産婦人科
-
脇田 邦夫
北里大学医学部産婦人科
-
佐々木 紀充
北里大学医学部産婦人科
-
佐々木 紀充
北里大学 産婦人科
-
泉 貴文
北里大学医学部附属病院 産婦人科
-
脇田 邦夫
北里大学 産婦人科
-
泉 貴文
北里大学医学部産婦人科学教室
-
蔵本 博行
北里大学医学部産婦人科
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