陣痛時の子宮収縮ピーク時と間欠時における子宮動脈系血流波形の変化
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概要
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本研究では, 子宮収縮時における子宮動脈系血流変化を統計学的に検討し, さらにその血流変化が胎児心拍数に与える影響について検討することを目的とした. 方法としては陣痛時の子宮収縮ピーク時とその間欠時に, 連続超音波ドプラ法により子宮動脈系血流波形を記録して, resistance index (RI), pulsatility index (PI), 母体心拍数を求めて統計学的解析を行った. さらに胎児心拍数図を同時記録して, 子宮血流の変化との関係を比較検討した. 研究対象は重大な合併症のない妊娠37〜41週の妊婦44症例で, 以下の結果を得た. 1. 全症例で子宮収縮ピーク時に拡張末期血流の減少, 途絶あるいは逆流が起こり, RI, PIの値が有意に増加した. これより収縮ピーク時に子宮動脈系血流が減少するものと考えられた. この結果は母体心拍数の変化による影響を除外しても同様であった. また個々の症例(3症例)でも有意なRI, PIの増加が認められた. 2. 血流観察中に胎児心拍数図に異常を認めたのは2症例のみであったが, 血流の途絶や逆流は認められず, 子宮動脈系血流の減少と胎児心拍数の間に相関関係は認められなかった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-01-01
著者
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