GnRH Agonist持続皮下注法による子宮内膜症の治療
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概要
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GnRH agonist (A) 持続皮下注法の子宮内膜症に対する治療効果をホルモン動態を中心に検討した。5名の子宮内膜症患者 (stage II〜IV) にGnRH-A (Buserelin) 1日200μgを24週間持続皮下注した。投与開始初期にLH, FSHの一過性上昇がみられた。LHは4週以内に, FSHは1週以内に前値に復した。以後FSHは3〜7ml U/mlの低値を持続したが, LHは漸減するも10ml U/ml以下には低下しなかった。E_2は卵胞期初期より投与した4例では2週後より10〜20 pg/mlの低値を続けたが, 卵胞期後期より投与した1例では2週間にわたり高値を示し, 消退出血後低値を持続した。5例中3例が投与開始後1〜2週間高PRL血症を示した。GnRHテストによるLH, FSH反応は2週以降消失したが, TRH テストによるPRL反応は有意な変化はなかった。投与中LHの律動性分泌は消失した。FSHは12週以降漸増傾向を認めた。4週以降全例無月経となった。投与終了後FSHは速やかに卵胞期初期レベルに回復したが, LHは1週間低下を続けた後回復に向った。E_2の増加はFSHの上昇と平行した。5例中4例が投与終了後4週以内に排卵し, 現在までに2例が妊娠した。以上よりGnRH-A持続皮下注法は作用発現が迅速, 十分かつ安定した下垂体-卵巣機能の抑制が可能, 中止後の回復が速やかなどの利点を有しており, 子宮内膜症に対する非常に有効な治療法と考える。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-04-01
著者
-
熊坂 高弘
獨協医大
-
熊坂 高弘
獨協医科大学産科婦人科学教室
-
北沢 正文
獨協医科大学
-
北沢 正文
獨協医科大学 産婦人科
-
正岡 薫
獨協医科大学産科婦人科学教室
-
正岡 薫
まさおかレディースクリニック
-
正岡 薫
獨協医科大学産婦人科学教室
-
熊坂 高弘
獨協医科大学産婦人科学教室
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