BromocriptineおよびDopamineの下垂体ホルモン分泌に及ぼす作用の検討
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概要
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dopamine(DA)agonistの一つであるbromocriptine(Brc)とDAそのものとのLH,FSH,PRL,GH分泌に及ぼす作用を比較検討し,合せてDA receptor antagonistであるmetoclopramide(MCP)に対する両者の反応を検討する目的で以下の実験を行つた.正常周期を有する婦人30例の卵胞中期において13例にBrc2.5mg経口投与し,9例にDA 5μg/kg/min 4時間点滴静注した.残りの8例は無処置にて対照群とした.すべての被験者に実験開始3時間後にMCP 10mg静注し,採血は実験開始30分前より30分間隔で4時間にわたり行つた.血中LHはBrc投与後60分,90分,180分,240分と部分的に対照に比し有意に低下した.DAの投与では60分後より一律に有意な低下がみられ,LHの抑制はDAの方がBrcより著明であった.またLHのpulsatileな分泌パターンはDAにより抑制され,pulse amplitudeの減少がみられたが,Brcではむしろ増大するようであつた.FSHはBrc投与で変化なく,DAの投与で150分後に有意な低下がみられたのみであつた.MCPの投与はこれらBrc,DAの効果に明らかな影響は与えなかった.血中PRLはBrc,DAのいずれによっても30分後より一律に有意な減少がみられたが,次いでMCPの投与によりDAのPRL抑制は著明に拮抗されるのに対し,Brcの抑制作用は全く影響を受けなかった.血中GHはBrcにより150分から210分にかけて有意な増加がみられたが,DAでは変化なく,MCPの影響も明確ではなかつた.以上の結果より次のことが示唆された.BrcはLHの基礎値を部分的には低下させるが,pulse amplitudeはむしろ増大させる点でDAそのものの作用と異なる.BrcのPRL分泌抑制はMCPによつて容易に拮抗し得ない点で特徴的なPRL inhibitorといえる.全身性に投与した場合BrcはGH分泌を亢進させるが,DAにはこの作用が認められない.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-12-01
著者
-
渡辺 博
獨協医大
-
渡辺 博
獨協医科大学産科婦人科学
-
熊坂 高弘
獨協医科大学産科婦人科学教室
-
正岡 薫
獨協医大
-
大蔵 健義
獨協医科大学越谷病院産婦人科
-
細矢 則幸
獨協医科大学産科婦人科学教室
-
森 隆生
獨協医科大学産科婦人科学教室
-
正岡 薫
獨協医科大学産科婦人科学教室
-
森 隆生
独協医大
-
渡辺 博
独協医大
-
渡辺 博
獨協医科大学 医学部産科婦人科
-
細矢 則幸
東京医歯大
-
細矢 則幸
獨協医科大学 産婦人科
-
大蔵 健義
獨協医科大学 産婦人科
-
森 隆生
群馬・済生会前橋病院
-
熊坂 高弘
獨協医科大学産科婦人科
-
正岡 薫
獨協医科大学産婦人科学教室
-
熊坂 高弘
獨協医科大学産婦人科学教室
-
森 隆生
獨協医科大学産婦人科学教室
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