400m走中の下肢関節トルク持続能力と下肢の筋持久性との関係

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本研究の目的は,400m走中の関節トルクの変化と走速度、ピッチおよびストライドの変化との関係,400m走中のトルク発揮の持続能力と体力要因としての下肢の筋持久力との関係を検討することであった。400mの48.75±1.32sベスト記録を有する競技者11名を被検者とし,400m走における前半(160m地点),後半(360m地点)の疾走動作の撮影,等速性運動における膝・股関節運動の持久性を測定した。主な結果は以下の通りである。1)400m走後半において速度を維持していた者ほど400m走タイムは短かった。2)走速度,ピッチおよびストライドともに後半で有意に低下した。3)走速度変化率と股関節屈曲・伸展および膝関節屈曲・伸展のトルク変化率とは有意な正の相関関係にあり,トルクが維持できる者ほど走速度も維持できるという関係が認められた。4)走速度変化率はピッチ変化率と有意な正の相関関係に,ピッチ変化率はピッチを構成する支持期時間の変化率との間に有意な負の相関関係にあった。このうちの支持期時間変化率は,股関節伸展・屈曲トルク変化率との間に有意な正の関係が認められた。これらのことから,後半でのピッチの維持には,股関節トルクの持続能力が影響を及ぼすと考えられる。5)股関節屈曲トルク変化率と膝関節屈曲筋持久力,股関節伸展トルク変化率と膝関節屈曲筋持久力との間などに有意な関係が認められ,体力要因である筋持久力が走動作の中でのトルク発揮の持続性に影響を持つことが明らかになった。以上のことから,400m疾走中の下肢関節トルクの持続能力は,ピッチ維持能力および走速度維持能力に影響を及ぼし,体力要因である下肢の筋持久力に影響を受けていることが示唆された。
2003-08-01

400m走中の下肢関節トルク持続能力と下肢の筋持久性との関係

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