青年期における「疎外感」の発達と適応との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,疎外感尺度を作成し,青年期における疎外感の発達的変化および疎外感と適応との関係を検討した。主な結果は,次の通りである。1.疎外感は青年期において発達的に減少する。2.疎外感は自我同一性(古沢の尺度による)と負の有意な相関がある。3.問題児は,問題を持たない者に比べ有意に高い疎外感を示す。しかし,次のような問題や限界も考えられる。第1に,疎外感の発達的変化は,横断的方法により分析されたが,これは,対象の選択の仕方により,結果が若干異なる可能性もある。今後さらに,縦断的研究によって,この点を検討することが必要であろう。第2に,疎外感と適応との関連を分析する場合に,疎外感の強弱という量的側面からの接近のみでは,十分でないことが考えられる。たとえば,疎外感をどうとらえるか(受容できるもの,或は拒絶すべきものと感じるなど)により,適応の様相も異なってくると想定される。このような観点からは,疎外感は問題行動などのネガティヴな心理側面と密接な関わりを持つと同時に,独創性や創造性や創造性などの人問の積極的な行動特性との関連において,ポジティヴな側面から問題にすることも可能であろう。
- 1981-12-30
著者
関連論文
- 教授・学習13(689〜697)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概念)
- 教授・学習3(621〜629)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 臨床・治療・障害(810〜816)(部門別研究発表題目・討論の概要)
- 測定・評価4
- 教科学習(601〜608)(部門別研究発表題目・討論の概要)
- 人格(301〜309)(部門別研究発表題目・討論の概要)
- 人格1(401〜408)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 813 親子関係に関する研究(II) : カウンセリングによる変化の吟味(800 臨床・治療・障害)
- 幼児期における文字指導の諸問題(シンポジウムI,シンポジウム)
- 発達16(316〜323)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 318 「疎外感」と自我の発達 : Loevingerの自我発達理論を利用して(発達16,発達)
- 教授・学習5(634〜639)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- K.K.改訂 Bernreuter Personality Inventory (J型)の作成ならびに標準化について
- 270 自我同一性に関する研究(I)-(3) : 自我同一性様態の類型とその特徴(発達10,研究発表)
- 269 自我同一性に関する研究(I)-(2) : 自我同一性様態に関する樹木ダイアグラム(発達10,研究発表)
- 268 自我同一性に関する研究(I)-(1) : 研究の発展と本研究の位置づけ(発達10,研究発表)
- 4 測定評価 : c 人格評価III(日本教育心理学会第8回総会部門別研究発表題目・討論の概要)
- 人格(342〜348)(部門別研究発表題目・討論の概要)
- 10 人格(3)(日本教育心理学会第11回総会部門別研究発表題目・討論の概要)
- 803 大学における教育心理学の授業効果(VI) : 14人の教授者による受講前・後のイメージ変化(教員養成,教授過程1)
- 802 大学における教育心理学の授業効果(V) : 教育心理と教育原理のイメージ差(教員養成,教授過程1)
- 627 大学における教育心理学の授業効果(IV) : 新しいSD尺度の因子構造(教授・学習3,教授・学習)
- 626 大学における教育心理学の授業効果(III) : 新しいSD尺度の構成とその適用(教授・学習3,教授・学習)
- 602 大学における教育心理学の授業効果(I) : SD尺度によるイメージ変化の検討(教授・学習1 教員養成・教師,研究発表)
- 422 疎外感に関連する諸要因の検討(1)(人格3 人格評価II,研究発表)
- 疎外感と幼少期の家庭環境及び自己概念との関係
- 416 Loevingerの自我発達理論 : 信頼性・妥当性の検討及び疎外感との関係(人格2,研究発表)
- 692 書写指導の測定論的基礎(3) : 書字行動の類型学的研究(10)(言語教育,教授・学習)
- 青年期における「疎外感」の発達と適応との関係
- 637 書写指導の測定論的基礎 : 書字行動の類型学的研究(9)(教授・学習5,教授・学習)
- 629 書写指導の測定論的基礎 : 書字行動の類型論的研究(7)(教授・学習3,教授・学習)
- 223 青年期の「疎外感」に関する研究(3)(発達3,発達)
- 512 青年期の「疎外感」に関する研究(1) : 「疎外感」尺度の構成(人格2,研究発表)
- 513 「行動の動機の認識様式」に関する研究 : 認知的不協和解消方法との関係について(社会2,研究発表)
- 306 大学生の精神衛生 : 健康調査結果の高得点者群と低得点者群の比較(300 人格)
- 329 高校生の悩みに関する研究(III) : 悩み意識と不満意識の構造分析 その2(発達)
- 328 高校生の悩みに関する研究(III) : 悩み意識と不満意識の構造分析 その1(発達)
- 教授・学習1
- 348 大学生の精神衛生に関する研究(II) : とくに健康調査の項目分析を中心として(人格3-7,300 人格)
- 715 Validation Study of the Self-Report 'Perceived Meaningfulness' Measure : (1) Concept clusters, and the difference by sex and majoring
- 日本におけるSD法による研究分野とその形容詞対尺度構成の概観
- 測定・評価3(715〜722)(部門別研究発表題目・質疑応答・討論の概要)
- 720 最近の親の行動分析(1) : 4つの領域の意識と態度(測定・評価3,研究発表)
- 606 発見法(集団教示)による転移効果 : 大学生の場合(600 教科学習)
- 728 書字行動に関する類型学的研究(5) : 筆圧・握圧の相互相関分析(700 測定・評価)
- 14 多様式クレペリン検査の妥当性に関する研究 : α型β型の作業曲線類型について(10.人格)
- 521 筆圧曲線について(4)(5.人格)
- 言語発達に関する最近の研究
- 301 書字行動に関する類型学的研究(1)(6.人格(1),日本教育心理学会第5回総会部門別研究発表要旨・討論の概要)
- 807 教育的態度尺度に関する研究(1) : 形式IとIIの両尺度の安定性と日米の比較(尺度構成とその妥当性,測定・評価1,測定・評価)
- 824 書字行動に関する類型学的研究(7) : 児童の書字行動の個人差と発達差(測定・評価4,研究発表)
- 404 書字行動に関する類型学的研究(6)(人格1,研究発表)
- シンポジウムI : 幼児期における文字指導の諸問題
- 660 外国人留学生の日本語書字行動(1)(教授・学習7,口頭発表)
- 304 人格適応の3次元構造による類型化(人格3-1,300 人格)