心臓リハビリテーションにおける筋力増強 : その効果と意義 : 加圧筋力トレーニング(心臓リハビリテーション(リハビリテーション医学との新たな連携)) (2004年第41回日本リハビリテーション医学会学術集会東京)

概要

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リハビリテーション(以下, リハ)医学において筋力トレーニング(筋力増強)は, 最も基本的な運動療法である. 健常者において筋肥大や筋力増強させるには, 最大挙上負荷(1 Repitaion Maximum:1RM)の60〜65%以上の運動強度が必要とされる. この運動強度による筋肥大には, ステロイドホルモン(アンドロゲン, 副腎)や成長ホルモン(growth hormone:GH)などのアナボリック, ホルモンが関与していることが知られている. 最近の研究においては, 筋力増強トレーニングによる筋肥大のうち約50%がトレーニング直後に分泌されるGHに依存していることが報告された. 一方, 心疾患においてGHは心臓における心筋収縮増大, 心筋構築促進などの作用があることが報告され, 現在では心不全の治療薬として使われ始めている. したがって, 心疾患患者に対し筋力トレーニングを行うことによりGH分泌を増加させ, 心疾患の治療効果が得られる可能性が示唆される. しかし, GH分泌を有意に増加させる筋力トレーニングは, 高強度の運動が必要となり心疾患患者に対して心血管系への負荷を増大する可能性がある.
社団法人日本リハビリテーション医学会の論文
2004-10-18