インドネシア産白玉シャロットの遺伝的特性

概要

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東南アジアで栽培されるシャロット(Allium cepa L. Aggregatum group)は一般に赤い球根を形成するが, インドネシアの一部の地域では白色の球根を形成するシャロットが栽培されている.しかし, この白玉シャロットを厳密に分類したり, 育種素材として利用するための遺伝的情報はない.そこで, 本研究ではこの白玉シャロットの遺伝的特性を調査した.白玉シャロットと対照として供試した赤玉シャロットは, 球根の色, やくの色および萌芽時の葉の色が互いに異なる点を除けば, 形態的形質は同じであった.両者の核型および減数分裂時の染色体行動は同じであった.また, 両者は高い交雑和合性を持っていた.さらに, 葉緑体DNAおよびミトコンドリアDNAのPCR-RFLP分析から, 両者は同質の細胞質を持つことが明らかになった.以上の結果から, インドネシア産白玉シャロットは, Allium cepa L. Aggregatum groupに属すると結論づけられ, 赤玉シャロットから自然突然変異によって生じたと推定された.
園芸学会の論文
2002-07-15