ミトコンドリア DNA 多型のネギ属 Cepa 節栽培種および野生種の細胞質判別への利用
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概要
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ネギ属Cepa節栽培種および野生種のミトコンドリアDNA(mtDNA)の判別方法を検討するため, 栽培種としてAllium fistulosumおよびA. cepa, 野生種としてA. altaicum, A. galanthum, A. oschaniniiおよびA. vaviloviiを供試して, プローブを用いたRFLP分析およびミトコンドリアDNAのsmall ribosomal subunit RNA(srRNA)遺伝子のV7領域, subunit 3 of NADH dehybrogenase (nad3)-ribosomal protein S12 (rps12)領域のPCR-RFLP分析を行った.制限酵素処理したmtDNAおよびtotal DNAにA. cepaのmtDNAから開発したプローブをハイブリダイゼーションしたところ, 同様の結果が得られたため, プローブでの多型の検出にはtotalDNAを用いた.プローブを用いたRFLP分析では, すべての種間において多型が検出された.PCR-RFLP分析の結果, nad3-rps12領域では種間で多型は検出されなかったが, srRNA遺伝子のV7領域では数種間で多型が検出された.これらの方法をA. galanthumとA. fistulosumの正逆雑種のmtDNAの同定に応用した結果, いずれの方法でもmtDNAの同定が可能であった.本研究において, それぞれの種間でmtDNAの判別に有効なプローブと制限酵素およびプライマーと制限酵素の組合せが確立された.本研究の成果は, Cepa節の二種の栽培種と四種の野生種間での細胞質置換の確認に適用できると考えられる.
- 園芸学会の論文
- 2000-07-15
著者
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