シャロット由来単一異種染色体を添加したネギ系統における添加染色体の伝達率
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概要
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シャロット由来単一異種染色体を添加したネギ系統シリーズ(2n=17, 第1添加型-第8添加型)の種子繁殖による系統維持を検討するために, 添加染色体の後代への伝達率を調査した.添加系統とネギの正逆交雑から得た実生の染色体数は16および17であった.そこで, 添加染色体の雄性伝達率はネギを種子親, 添加系統を花粉親に用いた交雑から, また, 雌性伝達率はその逆交雑から, それぞれ得られた染色体数17の実生の百分率で表した.8種類の添加染色体間で, 雄性伝達率は0から7.6%(平均2.6%)の, また, 雌性伝達率は6.1から40.4%(平均19.8%)の変異を示した.従って, 雄性および雌性伝達率ともに低く, 添加染色体間で差があり, 雌性伝達率は雄性伝達率より明らかに高いことが分かった.なお, 雄性および雌性伝達率はともに第8染色体で高く, 第5染色体で低かった.さらに, 添加系統シリーズの花粉粒の染色体数を調査した結果, 8および9であった.染色体数9の花粉粒の割合は8種類の添加系統間で18.1から49.4%(平均34.9%)の変異を示し, 明らかに雄性伝達率よりも高かった.従って, 添加染色体は配偶子へ伝達された後でも淘汰されることが分かった.以上の結果から, 本添加系統シリーズの種子繁殖による系統維持は添加系統を種子親として用いれば可能であることが明らかになった.
- 園芸学会の論文
- 1999-01-15
著者
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