窒素施肥量の相違がモモ実生樹の葉と根の炭水化物含量ならびに葉緑体の形質に及ぼす影響
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概要
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本報告では, 500ml容のポットに定植したモモの1年生実生樹を用いて, 窒素施肥量の相違が地上部と地下部の生長に及ぼす影響を調査するとともに葉と根の炭水化物含量を測定した.さらに葉の葉緑体に焦点を絞って, デンプン蓄積とRuBisCOタンパク量の変化を検討した.窒素施肥量は, 1樹当たりNH_4NO_3を0 mg(N-0区), 75 mg(N-75区), 150 mg(N-150区), 300 mg(N-300区), 600 mg(N-600区), 900 mg(N-900区)施肥し, その他の肥料は各処理区とも同量とした.なお, N-900区は実験期間中枯死した.茎と葉の重量, 枝長からみた地上部の生長は, N-150区とN-300区で最も大きかった.根はN-75区とN-150区で重かった.地上部と地下部ともにN-0区とN-600区で小さかった.葉と根の窒素含量(対乾物重%)ならびに葉面積当たりのクロロフィル含量(μg・cm^<-2>)は窒素施肥量の増加に伴い高くなった.葉の全糖含量(対乾物重%)も窒素施肥量の増加に伴い高くなった.ソルビトール含量(対新鮮重%)は樹の生長が旺盛な処理区ほど高かった.葉内デンプン含量は窒素の施肥量とは逆の傾向がみられた, 4', 6-diamidino-2-phenylindole染色によってクロロフィルが濃い赤色に励起された.N-0区でのクロロフィルの励起は弱く, デンプン蓄積と関連して葉緑体の周辺部に集中していた.Ribulose bisphosphate carboxylase-oxygenase (RuBisCO)は窒素施肥量に対応して増加したが, N-300区とN-600区の間には差がみられなかった.根の全糖含量は樹の生長が旺盛な処理区ほど高く, 根のデンプン含量は根の生長量とは逆の傾向がみられ, N-0区とN-600区で高かった.
- 園芸学会の論文
- 1999-07-15
著者
-
新居 直祐
名城大学農学部
-
西村 幹夫
基生研・細胞生物
-
山口 勝司
基生研
-
西村 幹夫
基礎生物学研究所
-
克熱木 伊力
名城大学農学部
-
山口 勝司
基礎生物学研究所
-
Ali K
Meijo Univ. Nagoya
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