カキ′富有′樹の新しょうと葉の発育過程について : 特に葉の組織系発達との関係
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概要
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本調査はカキ (品種富有) 樹における新しょう及び葉の発育過程を, それらの生長速度の推移から調べるとともに, 特に葉の組織系の分化発達過程から検討したものである.新しょうの生長 (新しょう長, 重量) は第1枝 (先端枝) が優勢に生長し, 下位の枝ほど生長量が小さくなった. 新しょうの長さと生体重の生長速度のピーク期は5月上旬に, 乾物重は5月下旬にそれぞれ認められた.葉面積の生長速度は5月中旬に最大となり, その後5月下旬に低下した. 果径肥大は6月中旬ごろより増大するが, この時期は葉面積が最大に達して後, 約1〜2週間目であった. 葉は結果枝の基部ほど早く大きくなり, その生長停止期が早く, 成葉面積は小さい傾向がみられた. 葉位が高くなるにつれて遅くまで拡大生長が続き, 葉面積は一般に大きくなった. 葉の乾物重増加は, 5月下旬に最大のピークを示した後低下していった.新しょうの乾物率はほう芽後より急速に低下し, 5月中旬まで低い値が続いたが, その後乾物率は7月上旬ごろまで急速に高まり, 収穫期まで継続して増大した. 葉の乾物率は, ほう芽後より5月中旬ごろまで低く, その後高まったが, 枝ほど顕著でなく, 7月上旬ごろにほぼ最大に達した. 果実生体重の生長速度のピーク期は7月中旬にみられたが, この時期は葉の乾物率が最大に達した約2週間後であった.本調査に用いた葉位の葉の葉肉組織 (さく状組織と海綿水組織) は, その葉面積が最大に達した後, 約2週間後の6月中旬ごろまでにほぼ完成した. 葉柄と中肋の維管束, 特に木部の発達も葉肉組織とよく対応して発達した.
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