アズキ(Vigna angularis(willd.)Ohwi&Ohashi)における雄性不稔性の組織学的特異性および遺伝様式
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概要
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1974年十勝農業試験場において,アズキの育成系統`十育92号'より雄性不稔個体が見い出された。この雄性不稔個体の花器とくに葯の組織学的な特異性と遺伝様式が研究された。雄性不稔性の遺伝様式を明らかにするために雄性不稔個体と稔性個体が交雑された。F_1個体はすべて稔性個体を生じ,またF_2個体の分離よりこの形質は一対の劣性遺伝子によって支配されていると推定された。葯の組織学的な観察結果から,稔性葯のタベート細胞では小胞子期に葯腔側の細胞壁が崩壊し,タベート細胞核は葯壁側にならんで偏在し,タベート細胞の崩壊過程の後期まで残存する。一方不稔性繭のタベート細胞は小胞子期に空肥化が進み肥大の様相を呈し,細胞核は細胞の中心部に位置し,タベート細胞の崩壊とともに早期に消失する。また不稔性葯の内被の繊維状構造の形成は稔性葯に比較して,早期に認められた。タベート細胞の異常な行動はタベート細胞核の位置ならびに内被の繊維状構造の早期の形成と密接な関係をもつものと推定された。
- 日本育種学会の論文
- 1980-09-01
著者
-
吉田 みどり
北大北方生物圏セ
-
中嶋 博
北海道大学農学部 附属農場
-
中嶋 博
北大農
-
村田 吉平
十勝農試
-
村田 吉平
道立十勝農試
-
津田 周弥
北海道大学農学部
-
成河 智明
道立十勝農業試験場
-
中嶋 博
北海道大学
-
成河 智明
野菜試
-
津田 周彌
北大 農 農場
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