等電点焦点法による,オオムギ発芽種子および麦芽のα-アミラーゼの酵素多型
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概要
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オオムギαアミラーゼ活性の遺伝的制御を明らかにする目的の1つとして,発芽種子および麦芽抽出液のαアミラーゼを等電点焦点法によって分離し,酵素多型の品種間差異を比較検討した.発芽種子130品種(うち,二条大麦品種118),麦芽60品種のザイモグラムから総計21本のバンドを検出した.発芽種子では酵素抽出用緩衝液のpHによってサイモグラムに変化が見られ,pH8.5の時に存在した等電点の高いバンド群を,pH4.7の場合には検出できなかった.一方,麦芽では緩衝液PHによるザイモグラムの変化は見られず,等電点の高いバンド群は常に存在しなかった.また麦芽では等電点6.0附近に発芽種子では存在しないバンドが検出された. 発芽種子および麦芽のザイモグラムには明らかな品種間差異があった.ザイモグラムは主要なバンドの有無によって3種類のタイプに類別することができ,それによって供試品種をそれぞれ3群に分けることができた.発芽種子と麦芽のサイモグラムの類別は両者で一致していた.しかし,FRYDENBERG ら(1966)の寒天ゲル電気泳動による類別の結果とは一致していなかった.
- 日本育種学会の論文
- 1985-03-01
著者
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