イネ種子由来カルスの不定胚形成及び不定芽形成特異的糖タンパク質の検出

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著者らは,これまでに,イネ種子由来の培養細胞において,再分化培地のホルモン組成を変えることにより,体細胞不定胚形成及び不定芽形成という2つの分化経路を制御できる培養系を確立した.細胞の分化を制御するようなタンパク質の発現量は,極めて少ないと考えられるので,本研究では,不定胚形成過程,及び不定芽形成過程で特異的に発現する微量な糖タンパク質をレクチンを用いて検出,濃縮することを試みた. 品種亀の尾の完熟種子から誘導し,2mg/lの2,4-Dを加えたR2培地で維持している培養細胞を,ホルモンフリーのR2培地で3日間前培養後,不定胚誘導培地,または不定芽誘導培地に置床した.再分化誘導前の未分化なカルス,及び不定胚誘導培地または不定牙誘導培地に置床後10日目のカルスから全タンパク質を抽出し,2次元電気泳動によって分離した後,PVDF膜に転写し,ConA染色を行ったところ,不定胚形成に特異的な糖タンパク質を3個,不定芽形成に特異的な糖タンパク質を3個,不定胚形成及び不定芽形成に共通して現れる糖タンパク質を5個検出した(F1g.1).これらの糖タンパク質は,いずれも微量であり,銀染色では検出が難しかったため,Con Aをリガンドとするカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーで濃縮を試みた
日本育種学会の論文

イネ種子由来カルスの不定胚形成及び不定芽形成特異的糖タンパク質の検出

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