亜熱帯太平洋域小笠原諸島母島において測定された大気中の過酸化水素濃度
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概要
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小笠原諸島母島において大気中のH_2O_2濃度やO_3濃度を1995年4月及び7月の2度にわたり測定した. 4月においては, 小笠原諸島が大陸性気団に覆われた時にO_3やH_2O_2が高濃度となった. 7月のO_3濃度は4月より低かったが, H_2O_2濃度の平均値は4月より高かった. これは, 日射量の違いによるものと考えられる. 過酸化水素濃度は通常, 日中に高く夜間に低くなったが, 相対湿度が比較的低い時には, H_2O_2濃度が夜間に増加する現象がしばしば観測された. 夜間におけるH_2O_2濃度の減少は相対湿度に強く依存していた. 海洋大気中では夜間におけるH_2O_2の消失は不均質過程 (heterogeneous process) によるものである. この消失割合 (loss rate) は, 0.3〜6.5×10^<-5> s^<-1>程度で, 相対湿度が高くなると大きくなることがわかった. このような過程は海洋大気中におけるHO_x濃度に重要な影響を与えているものと考えられる.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1996-06-25
著者
-
永尾 一平
名古屋大学大学院環境学研究科
-
田中 浩
名古屋大学大学院環境学研究科
-
田中 浩
名古屋大学
-
渡辺 幸一
Institute For Hydropheric-atmospheric Sciences Nagoya University
-
田中 浩
名古屋大
-
永尾 一平
名古屋大 大学院環境学研究科
-
渡辺 幸一
名古屋大学大気水圏科学研究所
-
永尾 一平
名古屋大学•大学院環境学研究科
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