南極昭和基地で採集されたエアロゾル粒子中のメタンスルホン酸と非海塩性硫酸塩の濃度
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概要
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1993年2月13日から1994年1月29日まで、南極昭和基地(69°00'S, 39°35'E)においてエアロゾル粒子の捕集を行った。Sodium(Na^+)、sulfate(So_4^<2->)、methanesulfonate(MSA or CH_3S0_3^-)の重量濃度を調べるために、イオンクロマトグラフィーを用いてサンプルを分析した。MSA濃度は、冬季(1993年6月から8月)で平均1.4ng m^<-3>、夏季(1993年2, 3, 12月と1994年1月)で平均32ng m^<-3>であった。非海塩性硫酸塩濃度(nss-SO_4^<2->)は、冬季で平均34ng m^<-3>、夏季で147ng m^<-3>であった。非海塩性硫酸塩に対するMSAのモル比は、夏季において平均0.25であった。しかし、冬季には平均0.04に減少した。同様な季節変化は、他の観測拠点でも観測されている。大気境界層と自由大気との間の相互作用が、地域的に不均一であると考えられるので、自由大気から空気塊の輸送だけでMSA/nss-S0_4^<2->モル比の季節変化を説明するのは困難である。MSA/nss-S0_4^<2->モル比の季節変化は、硫化ジメチル(DMS or CH_3SCH_3)酸化過程における季節変化に起因すると考えられる。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1999-02-25
著者
-
毛利 英明
気象研究所
-
永尾 一平
名古屋大学大学院環境学研究科
-
田中 浩
名古屋大学大学院環境学研究科
-
古賀 聖治
資源環境技術総合研究所
-
田中 浩
名古屋大学
-
田中 浩
名古屋大
-
永尾 一平
名古屋大 大学院環境学研究科
-
古賀 聖冶
資源環境技術総合研究所
-
永尾 一平
名古屋大学•大学院環境学研究科
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