北半球冬季成層圏-対流圏の年々変動
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概要
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北半球冬季における, 成層圏・対流圏の変動を, 特に長期的な変動に着目して, 1958年から1994年のデータを用いて調べた. まず, 冬季平均50hPa高度場の主成分分析を行ない, 2つの変動モードを抽出した. 次にこれ等の時系列と (i) 500hPa高度, (ii) 海面温度との相関係数を求めた. 第1主成分は, 極域と中緯度で高度が交互に上下するパタンで, これは, 非帯状成分が強まってくるが, 対流圏にまで通じている. この対流圏のパタンは, プラネタリー波の南北伝播の変化として特徴づけられる. また, 大気大循環モデルの結果との比較から, このモードは主として大気内部の力学的プロセスにより生じている事が示唆される. 第1モードの時系列は, 解析期間を通じて増加の傾向を示しており, 近年の大西洋-ヨーロッパ域, 東アジア域での対流圏の変動と関連している. 一方, 第2モードは, 赤道東太平洋の海面水温と極めて良い相関を示し, エルニーニョ現像と関連した変動である.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1996-06-25
著者
-
小寺 邦彦
気象研究所
-
小寺 邦彦
気象研・気候
-
鬼頭 昭雄
気象研究所気候研究部
-
鬼頭 昭雄
気象研・気候
-
鬼頭 昭雄
気象研究所
-
千葉 長
気象研究所環境・応用気象研究部
-
小出 寛
気象研・気候
-
小出 寛
気象研究所気候研究部
-
二階堂 義信
気象研究所気候研究部
-
千葉 長
気象研究所
-
千葉 長
気象研
-
二階堂 義信
気象研究所気候研究部:気象庁長期予報課
-
小寺 邦彦
名古屋大学太陽地球環境研究所:気象研究所
-
千葉 長
気象研究所気候研究部:防災科学技術研究所
-
小寺 邦彦
名大 Ste
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