中緯度対流圏上部に卓越する中間規模東進波
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概要
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時間分解能の高いMUレーダー観測データ及び水平分解能の高い気象庁JSM(Japan Spectral Model)データを用いて対流圏中上部に卓越する中間規模東進波動擾乱を発見しその特性を詳しく調べた。この波動は3-4日周期の移動性高低気圧波動(長波)の卓越する春季において常に存在する。スぺクトル法、ラグ相関法を用いて定量的解析を行なった結果、この波動は緯度30-40゜Nに帯状に分布し、東西波長約2100km、周期約26時間であることがわかった。東向き位相速度は約22ms^<-1>で、長波の約2倍にあたる。これは、この中間規模東進波動が長波の高調波ではなく、独立な固有の生成維持機構を持っていることを意昧する。南北方向、高度方向の位相の傾きは殆んど見られない。高度場及び南北風成分の振幅は250hPaで最も大きく、約4ms^<-1>である。風と高度場との対応は地衡風的である。この種の対流圏東進波動に関するこれまでの観測的知識は乏しく、したがって、その力学は殆んどわかっていない。今後、背景流との関連を通して、この中間規模波動の力学特性を明らかにすると共に、他の季節での中間規模波動解析を発展させる必要がある。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1993-08-25
著者
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