南半球対流圏における準定常惑星規模波動
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概要
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NCEP/NCAR再解析データ17年分(1979-1995)を用いて、Aoki et al.(1996)が示した南半球冬季対流圏東西風変動(単一ジェット構造と二重構造の間の変動)に関連して見られる準定常惑星規模波動の立体構造とその振舞いについて調べた。この2種類のジェット構造間の変動に関連した準定常惑星規模波動の変動の特徴を把握するため、300hPaにおけるジオポテンシャル高度場を用いて経験的直交関数(EOF)解析を試みた。その波動は東西波数3または4型の水平構造を持ち、主に、東半球での振幅、西半球での位相の変化を示している。波活動度フラックス診断法によりその波動の特徴を更に解析してみると、単一ジェット時には亜熱帯から中緯度、二重ジェット時には極域から中緯度への伝播が見られ、それが水平構造に違いをもたらすことがわかった。成層圏における波活動度は、初冬と真冬には単一ジェット時(太平洋〜南アメリカ域)、晩冬には二重ジェット時(インド洋からオーストラリア域)により大きくなっている。準定常惑星規模波動の活動と帯状平均東西風構造との関係について理解を深めるために、EPフラックスの発散を計算した。波動全体による水平発散が2種類のジェット構造の違いを維持するのに決定的な役割を果たしているが、それは、主に、短周期擾乱によるものであり、準定常惑星規模波動の寄与はむしろ小さい。しかし、水平発散と鉛直発散を合わせて考えた場合、40゜S付近では準定常惑星規模波動の寄与は小さいが、60゜S付近では帯状平均東西風の偏差を維持するのには重要な役割を果たしていることがわかった。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1998-08-25
著者
-
青木 博松
京都大学大学院理学研究科
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廣田 勇
京都大学大学院理学研究科地球物理学教室
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青木 博松
京都大学大学院理学研究科地球物理学教室:(現)松下情報システム株式会社技術開発部先行技術開発室
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廣田 勇
京都大学大学院理学研究科
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