超音波式ドップラー流速計による西部赤道太平洋での表層海流の長期観測
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概要
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西部赤道太平洋ウォームプール海域における表層海流変動を調べるため、1992-93年のほほ1年間赤道上の2測点(147°Eと154°E)において、上向き係留式超音波ドップラー流速計による長期測流を行なった。東西流は、流向が頻繁に変化する100m以浅を除き総じて東向きであった。また、赤道潜流に対応する平均東向流には70-90m及び210mの2層で極大が存在し、この極大層の深度は数日から数ケ月の時間スケールで鉛直方向に変化する傾向が見られた。これらの層状構造をもつ変動特性が経験的直交関数の低次モードで表わされた。西側測点に対する第1モードは、全変動の約60%に寄与し、90mに極大をもつ全層同位相の変動特性、約20%の寄与をもつ第2モードは、約110mを境に上下で逆位相の変動特性を有する。また、100m以浅の上層では、1992年1月に約80m/sに達する強い東向流の発生が見られたが、この時期は70及び130mに節をもつ第3モードに関係付けられた。南北流は全層において平均流は0に近く、その変動幅は下層を除き東西流の約半分であった。また、スペクトル解析より約10日、15-20日及び30-60日周期をもつ変動の卓越が認められた。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1995-06-15
著者
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