駿河湾内外における表層水温・塩分の長期変動
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概要
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静岡県水産試験場実施の過去40年間(1965年〜2004年)の定線観測資料を用いて,駿河湾内外における表層(200m以浅)水温・塩分の長期変動特性とその要因を研究した。水温の経年変動には,(1)湾口から湾外の亜表層で高振幅を有し,1970年代後半の高温化で特徴づけられる変動と,(2)湾内表層で振幅が卓越し,1990年代後半以降高温化する変動がみられる。前者は,黒潮流軸の大王崎からの離岸距離と高相関であり,黒潮流路変動に伴う外洋海況の変動に支配される。塩分にも湾口から湾外の亜表層で卓越する変動が存在し,大蛇行期で代表される紀伊半島沖での黒潮流軸の離岸時には,駿河湾口付近の亜表層において高温・高塩化することが明らかになった。また,湾内表層で卓越する塩分変動も検出され,静岡における降水量変動と半年のラグで高相関をもつことより,その要因として海面を通した淡水フラックスあるいは周辺河川流量変動の重要性が示された。
- 2007-07-05
著者
-
轡田 邦夫
東海大学海洋学部
-
谷川 雅浩
東海大学海洋学部海洋学科
-
萩原 快次
静岡県水産試験場漁業開発部
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勝間田 高明
東海大学海洋学部清水教養教育センター
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萩原 快次
静岡県水産技術研究所
-
勝間田 高明
東海大学海洋学部
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