収穫期の異なるウンシュウミカン3品種の花芽分化と春枝中の炭水化物含量との関係

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ウンシュウミカンの収穫期の異なる3品種,'山川早生','興津早生','青島温州'の切り枝から発生する無着花枝,有葉花,および直花数と炭水化物含量の時期的変化を2001年11月上旬から2002年3月中旬まで調査した.調査には2001年が隔年結果の去年にあたる樹を用いたが,各品種の2001年の収量は過去10年間の最高に近い値であった.1か月間隔で,各品種の結果樹から切り取った春枝を摘葉し,100ppmのBA水溶液で処理後,水挿しして28℃の定温器内に置き,8〜14日後に萌出した芽のタイプを調査した.各品種とも,11月上旬の切り枝では無着花枝の発生が多く,花らいの発生がみられないか,あるいはごくわずかな数の花が着生した程度であった.その後は,3月中旬にかけて花らいの発生が増加したが,花芽数の増加程度は品種によって著しく異なった.10月下旬に収穫した極早生品種の'山川早生'の切り枝では,11月中旬に収穫した早生品種の'興津早生'や12月中旬に収穫した晩生品種の'青島温州'に比べて,1月から3月まで無着花枝の発生が減少して花らい数が急激に増加した.'興津早生'ど青島温州'の間では調査期間中,花らいの発生数に有意な差が認められなかった.春枝のデンプン音量は,12〜2月に'山川早生'が他の品種より著しく多くなった.一方,'興津早生'の春枝では12月から1月にかけて全糖含量が他の2品種よりも顕著に多かったが,同品種では1月以降の無着花枝の発生が3品種中で最も多かったことから,収穫後の春枝への糖集積は花芽分化を促進しないものと思われた.ウンシュウミカンでは,早期収穫による春枝へのデンプン集積が花芽分化の進行に対して促進的な作用を及ぼしていることが推察された.
園芸学会の論文
2004-09-15

収穫期の異なるウンシュウミカン3品種の花芽分化と春枝中の炭水化物含量との関係

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