結果節位の異なるイチジク果実の発育および形質変動と気温との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
結果節位の異なるイチジク'蓬莱柿'秋果の発育および形質の変動と発育期間中における気温の影響について, 1996年から1998年までの3カ年にわたって検討を行った.1. 第3節, 第8節および第13節の秋果の結果日から収穫日までに要した日数は80∿89日で, 果実の発育期間中の積算温度(基準温度0℃)は年次, 節位にかかわらず, ほぼ2, 100℃前後であった.横径, 縦径および果実重は第3節の果実が顕著に大きく, 節位の上昇とともに果実が小さくなる傾向が認められた.果皮色のE値は, 節位の高い果実ほど低下して着色が優れた.小果の可溶性固形物含量には, 節位間に一定の傾向が認められなかった.2. 結果後の気温は第3節と第13節で対称的な変化を示し, 第3節では結果初期の気温が低く, その後は収穫期まで上昇したのに対して, 第13節では結果初期の気温が高く, その後は収穫期まで低下した.第8節は, 第3節と第13節の中間的な気温変化を示した.果実の発育期間中の気温は各節位ともおおむね最低気温15℃以上の範囲で推移したが, 果実が未成熟であった1996年の第13節では, 結果後76日以降の最低気温が13℃に低下した.3. 果実の横径, 縦径, 果実重は, 結果後30日までの気温との間に有意な負の相関が認められた.また, 横径, 縦径, 果実重は収穫前5∿15日間の平均気温, 最低気温との間に有意な正の相関が認められ, とくに収穫前5日間の最低気温との相関が高かった.果皮色のE値も, 収穫前15日までの平均気温, 最低気温との間に有意な正の相関が認められた.小果の可溶性固形物含量は, 果実発育期間中の各時期とも気温との間に有意な相関が認められなかった.
- 園芸学会の論文
- 2000-03-15
著者
関連論文
- ウンシュウミカンにおける樹液流測定による水分ストレス診断の可能性
- ブドウ'巨峰'の有核果実と無核果実の成熟過程における品質の差異
- 'ヒリュウ'台ウンシュウミカン若齢樹の結果開始時期が果実収量および品質に及ぼす影響
- カンキツ新系統'カンキツ福岡2号'の特性
- ワセウンシュウの収穫期の相違が花芽形成と枝中の炭水化物含量に及ぼす影響
- ワセウンシュウの高うねマルチ栽培における作業性および収益性
- ワセウンシュウの高うねマルチ栽培における根域制限方法と生育,収量,果実品質
- カンキツ新品種'福岡1号'の特性
- ワセウンシュウ収穫期の相違と樹冠上部摘果が花芽分化に及ぼす影響
- 収穫期の異なるウンシュウミカン3品種の花芽分化と春枝中の炭水化物含量との関係
- 'ヒリュウ'台ウンシュウミカン果実の発育・成熟過程における果汁の糖集積の特徴(栽培管理・作型)
- ウンシュウミカンの花芽分化の品種間差異と結果負担の及ぼす影響
- 'ヒリュウ'台ウンシュウミカンの果実の成熟過程における糖・有機酸含量の変化と樹体生理的特性
- AFLP法によるイチジクの多様性解析
- 結果節位の異なるイチジク果実の形質と糖集積に及ぼす摘果の影響
- 結果節位の異なるイチジク果実の形質と糖集積に及ぼす摘果の影響
- イチジク果実の収穫後における糖およびポリウロニド含量の変化
- 結果節位の異なるイチジク果実の発育および形質変動と気温との関係
- イチジク果実の肥大・成熟に伴う水分含量の増加と細胞壁成分との関係
- イチジクのフィッグ型品種の夏果に着生する雄ずいの交雑能力
- ウンシュウミカンの完熟栽培果実の品質と糖組成に及ぼす品種・地域及びフィルムマルチの影響
- イチジク交雑実生における果重と果汁の可溶性固形物含量の雌雄および夏秋果間差
- イチジク果実の肥大・成熟に伴う小果及び果托内の糖集積
- イチジク果実の肥大・成熟に伴う小果及び果托内の細胞壁成分の変化
- イチジク果実の細胞壁成分の品種間差異と成熟過程における変化
- イチジクの交雑育種における種子親の違いが単為結果性をもつ後代の出現頻度に及ぼす影響
- 色差計によるイチジク果皮色の分類
- イチジク果実の細胞壁成分の品種間差異と成熟過程における変化
- イチジクにおける受粉した果実と単為結果した果実の諸形質の比較
- カキ'太秋'の平棚仕立て栽培による雌花の安定確保
- イチジク'蓬莱柿'の節位別果実における形質変動の要因解析
- イチジク果実の糖含量・糖組成比の品種, 果実内部位および結果節位間における相違
- 摘葉・環状はく皮処理がイチジク果実の成熟と糖集積に及ぼす影響
- イチジク果実の肥大・成熟に伴う水分吸収と細胞壁成分との関係
- 温暖地におけるリンゴ着色系統の果実品質比較と中間台木の違いが生育,収量,果実品質に及ぼす影響
- イチジク新品種"姫蓬莱"の育成
- イチジク果実の発育及び成熟のための温度条件
- 施設栽培の早生ウンシュウミカンの夏枝の花芽分化に伴う炭水化物,α-アミラーゼ活性,インドール酢酸およびジベレリン様物質の変化
- DTS法によるウンシュウミカンの満開期予測と精度
- ウンシュウミカンの早期加温栽培に関する研究 : (第3報)夏枝の葉柄及び芽のα-アミラーゼ、IAA、GA様活性と花芽分化
- 温度変換日数(DTS)法によるウンシュウミカンの満開期予測と精度
- ウンシュウミカンの早期加温栽培に関する研究-3-夏枝内の炭水化物,α-アミラ-ゼ及びジベレリン様活性と花芽分化
- ビワ果実の寒害対策に関する研究-2-寒害果を利用した無核果生産のためのジベレリン処理方法
- 開花期前後のジベレリン処理によるビワの無核果作出
- ウンシュウミカンの施設栽培における根域制限技術の確立-1-根域制限の程度が樹の生育・果実品質に及ぼす影響
- 平棚仕立て法による栽培を行ったカキ'太秋'の着花特性と収量,果実品質
- 液体を用いた人工受粉がキウイフルーツの結実,果実品質に及ぼす影響
- 平棚仕立て法による栽培を行ったカキ'太秋'の着花特性と収量,果実品質
- カキ平棚仕立て栽培での多目的ネット被覆による減農薬栽培の害虫防除効果と果実品質に及ぼす影響
- 果樹研究最前線(108)イチジク果実の成熟期における肥大機構と水管理
- 実用記事 イチジク果実の肥大・成熟と形質変動(2)
- 実用記事 イチジク果実の肥大・成熟と形質変動(1)
- 温州ミカンの早期加温栽培に関する研究-2-発芽・開花に及ぼす6-ベンジルアミノプリン(BA)の影響
- 温州ミカンの早期加温栽培に関する研究-1-休眠・花芽分化に及ぼす低温の影響
- 施設栽培で根域制限を行ったワセウンシュウの着果量が樹体の水分ストレス,果実の品質, 収量ならびに花芽分化に及ほす影響
- 'ヒリュウ' 台ウンシュウミカン '大津四号' の結実開始樹齢の違いが樹体の生育と収量, 果実品質に及ぼす影響