水稲葉身葉緑素含量の品種間差異および水稲生育に伴う消長
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概要
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内外層の水稲32品種(Oryza sativa:30品種、O.glaberrima:2品種)を供試し、葉身の葉緑素含量を測定するとともに、それらの葉緑素含量と葉身の緑色の濃淡との関係を検討し、ついで代表的3品種を選び、それらの生育に伴う葉身の葉緑素含量の消長を調査して次のような結果を得た。1.品種間に葉身葉緑素含量の差異があり、高緯度地方の品種は含量が多く、低緯度地方に分布する品種は含量が少ない傾向が認められた。2.品種による葉身の緑色の濃淡と単位面積当たりの葉緑素含量との問にはr=0.733の相関が認められたが,葉身生体重当たりの葉緑素含量との問には相関は認められなかった。3.葉身の葉緑素含量は苗が活着し生育を開始すると急激に増加し、分けつ最盛期ごろに最高含量を示し、その後逐次低下して、幼穂形成期ごろに含量の谷が現れ、その後上昇して出穂期ごろに第二の山を示し、ついで登熟の進行と共に低下した。このような変化は、著しく特性を異にする品種(日・印両型など)間でも変らなかった。4.しかし、水稲の生育時期による葉身の葉緑素含量の変動の幅は、日本型・印度型など、品種によって異なり特徴的であった。
- 1978-12-15
著者
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