ヒト口腔扁平上皮癌を抗原とするマウスモノクローナル抗体による口腔癌の免疫組織化学的および免疫電顕的研究
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概要
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ヒト口腔癌に対して作製されたマウスモノクローナル抗体(E8およびP54)と反応する抗原の局圧を詳細に明らかにするために, 口腔癌組織およびそれに付随する口腔粘膜組織を用いて免疫組織化学的および免疫電顕的に検討した.非腫瘍性上皮を含む口腔癌組織のホルマリン固定, パラフィン切片および未固定新鮮凍結切片を用いた.E8およびP54両抗体によって染色された反応産物は, 低倍率の所見ではいずれも非腫瘍性重層扁平上皮細胞(以下, 非腫瘍性上皮細胞と略す.)および扁平上皮癌細胞(以下, 癌細胞と略す.)の細胞膜全周にみられたが, 高倍率光顕的観察および電顕的観察ではそれらの局在は異なっていた.E8は, 非腫瘍性上皮細胞および癌細胞の細胞膜全周と反応し, さらに癌細胞では細胞質内に顆粒状に反応する場合もみられた.一方, P54は非腫瘍性上皮細胞および癌細胞のデスモソーム付近と反応し, 癌細胞では細胞膜に点状の反応がよりいっそう強くみられ, また, より大きな反応産物も認められたが, 反応のみられない癌細胞も観察された.これらの結果から, モノクローナル抗体で細胞膜の染色性を検討する場合には, 高倍率の光顕的観察や電顕的観察が必要であり, また, 細胞膜抗原は癌細胞では正常細胞よりも強く発現する場合と, 発現しない場合があることが明らかになった.
- 大阪歯科学会の論文
- 2001-09-25
著者
-
田中 昭男
大阪歯科大学口腔病理学講座
-
和唐 雅博
大阪歯大・口腔病理
-
和唐 雅博
大阪歯科大学口腔病理学講座
-
森 雅一
大阪歯科大学口腔病理学講座
-
田中 昭男
大阪歯科大学
-
和唐 雅博
大阪歯科大学口腔病理学
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