殺ダニ剤 AKD-2023 とその脱アセチル代謝物のミトコンドリア呼吸鎖電子伝達阻害機構
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概要
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AKD-2023 (2-アセトキシ-3-n-ドデシル-1, 4-ナフトキノン)とその代謝物DHN(2-ハイドロキシ-3-n-ドデシル-1, 4-ナフトキノン)の作用機構研究をイエバエ飛翔筋ミトコンドリアを用いて行なった.AKD-2023のミトコンドリア呼吸鎖電子伝達阻害活性はDHNよりも著しく劣った.AKD-2023を単離ミトコンドリアとインキュベートしAKD-2023とDHNの経時的変化をHPLCで分析したところ, AKD-2023は減少し, DHNは増加した.これらのことから, 加水分解物であるDHNがAKD-2023の活性本体であることが示唆された.酸素電極法により, DHNはComplex IIIを阻害することが明らかになった.さらに, 2波長分光法を用いてインタクトミトコンドリアのComplex IIIのヘムbとc_1の還元率を測定した結果, DHNの結合部位はComplex IIIのユビキノール酸化部位(Q_0-center)であることが判明した.以上のことから, AKD-2023は近年開発された殺ダニ剤とは異なる作用機構であることが示された.
- 日本農薬学会の論文
- 1998-02-20
著者
-
三芳 秀人
京大院農応用生命科学
-
三芳 秀人
京都大学農学部
-
高須賀 清司
Research Center Agro-kanesho Co.
-
小浦 陽子
Research Center, Agro-Kanesho Co.
-
木下 祐子
Research Center, Agro-Kanesho Co.
-
小浦 誠吾
Research Center, Agro-Kanesho Co.
-
大崎 憲生
Research Center, Agro-Kanesho Co.
-
三芳 秀人
Molecular Entomology and Baculovirology, The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)
-
松本 正吾
Department of Agricultural Chemistry, Kyoto University
-
木下 祐子
Research Center Agro-kanesho Co.
-
松本 正吾
Department Of Agricultural Chemistry Kyoto University
-
小浦 誠吾
Research Center Agro-kanesho Co.
-
大崎 憲生
Research Center Agro-kanesho Co.
-
小浦 陽子
Research Center Agro-kanesho Co.
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