市販のイムノアッセイ・キットによる農薬の地表流出と圃場内収支の分析
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概要
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傾斜地に散布した農薬の挙動を解明するため, 地表流出モデル試験を実施し, 表流水中の農薬濃度を市販のイムノアッセイ・キットを用いた免疫化学測定法で分析した.クロロタロニル(TPN)とダイアジノンの400ppm混合液を縦うねに植栽したキャベツ試験区(傾斜地 : 6-6.5°のAとB区6.3m^2とC区460m^2)に散布した.散布1時間後に人工降雨(AとB区に60mm/hrで10分間と23分間, C区に18.7mm/hrで30分間, 翌日25.2mm/hrで10分間)を行い表流水を採取した.水流出率はA区とB区はともに1.2%, C区は1回目で6.0%, 2回目で5.8%であり, これらの表流水を分析した結果, 各農薬の流出率はTPNで0.14-0.62%, ダイアジノンで0.06-0.39%であった.免疫化学測定法と機器分析(GC)による分析結果を比較したところ, 両者には大きな違いは認められなかった.さらに, 人工降雨前後のキャベツ及び表面土壌を採取して免疫化学測定法で分析し, 散布農薬の試験区内での収支を推定した.キャベツや表面土壌への付着はTPNのほうがダイアジノンより多かった.C区ではキャベツに付着した農薬は1回目の降雨で約半分が洗い落されたが, 翌日の降雨では極くわずかであった.土壌表層における農薬残留量は2回目の降雨前と降雨後でもほぼ同じ残留量であった.
- 日本農薬学会の論文
- 1999-08-20
著者
-
和田 豊
社団法人日本植物防疫協会研究所
-
高橋 義行
社団法人日本植物防疫協会研究所
-
高橋 義行
Research Institute of Japan Plant Protection Association
-
小田中 芳次
Institute of Environmental Toxicology, Mitsukaido Institute
-
藤田 俊一
Japan Plant Protection Association
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藤田 俊一
日本植物防疫協会研究所
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小田中 芳次
The Institute of Environmental Toxicology, Mitsukaido Institute
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和田 豊
Research Institute of Japan Plant Protection Association
-
皆川 保雄
Research Institute of Japan Plant Protection Association
-
小田中 芳次
Institute Of Environmental Toxicology Mitsukaido Institute
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