昆虫におけるマラチオンの代謝に及ぼす共力剤としての殺菌剤 IBP の影響
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概要
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有機リン殺菌剤IBP (diisopropyl S-benzyl phosphorothiolate)は抵抗性イエバエに対してマラソンと共力作用を示し(48倍), サリゲニン環状フェニールリン酸エステルK-2(15倍)より強い効果を示したが, アリエステラーゼ阻害活性に関してはK-2より弱かった.しかし, IBPはマラソンを特異的に分解するエステラーゼアイソザイムをより特異的に阻害した.3, 4-ジクロロニトロベンゼンを基質として用いた場合, IBPはグルタチオン(GSH) S-トランスフェラーゼをわずかに阻害したが, in vitroでは, 抵抗性イエバエのマラソン代謝に関与するGSH S-トランスフェラーゼ活性に対してほとんど影響を与えなかった.しかしながら, in vivoにおいてIBPはイエバエGSH S-トランスフェラーゼに対してかなりの阻害活性を示した.抵抗性イエバエにおけるマラソンの6種のin vivo代謝物のうち, 脱メチル化マラソンが主代謝物であり, カルボキシエステラーゼ代謝物がその次であった.それらの代謝物はIBPを加えることによって非常に減少した.
- 日本農薬学会の論文
- 1982-02-20
著者
-
江藤 守総
九大農化
-
江藤 守総
Department of Agricultural Chemistry, Kyushu University
-
桑野 栄一
九大院農・生物資源開発管理学
-
桑野 栄一
Department of Agricultural Chemistry, Kyushu University
-
楊 照麟
Department of Agricultural Chemistry, Kyushu University
-
江藤 守総
Department Of Agricultural Chemistry University Of Kyushu
-
楊 照麟
Department Of Agricultural Chemistry Kyushu University:(present Address)research & Development D
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