細菌接種したタマネギ中のタマネギバエ幼虫, 成虫に対する誘引物質
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概要
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タマネギバエ幼虫は摂食のため, また成虫は産卵のためタマネギに誘引される.しかし, 細菌で腐敗しかかったタマネギは, 新鮮なものよりはるかに誘引性が高い.そこで腐敗しかかったタマネギから誘引物質を産生している細菌Klebsiella sp.を分離した.この細菌をタマネギ片に接種し37℃で3日間培養し, その嗅気をポラパックQカラムで捕集した.この嗅気物質を高速液体ガスクロマトグラフィーで分離し, 質量スペクトルにより化学構造式を同定した結果, 既知の誘引性硫黄化合物のほかにethyl acetate, tetramethylpyrazine, n-heptanal, 2-pentanolなどを含むことがわかった.これらの市販化合物を生物検定した結果, 幼虫に対して, ethyl acetateは単体で最もよく誘引し, tetramethylpyrazine, n-heptanalは混合することによってdipropyl disulfideの誘引性を数倍高めた.一方, 成虫の産卵に対しては, ethyl acetate, tetramethylpyrazineがdipropyl disulfideの誘引性を数倍加した.
- 1980-08-20
著者
-
池庄司 敏明
Department of Agricultural Biology, University of Tokyo
-
松本 義明
Department Of Agricultural Biology University Of Tokyo
-
石川 幸雄
Department of Agricultural Biology, University of Tokyo
-
石川 幸雄
Department Of Agricultural Biology University Of Tokyo
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