自動車の外板塗色における車格と色の適合性の関係

概要

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色彩と形態イメージは相互に関係し、調和した組み合わせによって表現意図を効果的に高めると言われている。しかし、具体的な実態事象での公開された報告はない。本研究では、商品として上市されている具体的事象として、自動車を対象にし、実際に使用されている塗料を用い、実際の塗装と同じ塗装を行った塗色と実際に販売されている自動車のフォルムを用いて、車格として分類した形態との関係を明らかにするために、意識イメージが受動的に形成される、一般生活者133名の選択嗜好調査実験を行った。本研究の結束から、12色の塗色で、15車型の4車格(コンパクト、セダン、SUV、スポーツ)において、自動車販売戦略に基づく車格とそのコンセプトを反映する塗色に影響される可能性が高いものの、スポーツとコンパクトカーのビビッドカラーにおいては従来に定義づけられる色彩イメージと車格コンセプトの間に違和感があった。また、具体的な実態事象では、抽象的な形態と色彩の関係や、円、三角形といったシンボリックな図形と色彩の関係とは異なる可能性がうかがわれた。
日本色彩学会の論文
2004-06-01