木材の曲げ弾性率と曲げ破壊係数への加重速さの影響
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概要
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この研究は,木材の力学的性質への荷重速さの影響を明らかにすることであり,多様な荷重条件のもとでの力学的挙動を明らかにする研究の一部である.この実験的研究では針葉樹材,すなわちスギ材,コウヤマキ材,ヒノキ材,およぴアカマツ材を対象にして,弾性率と曲げ破壊係数への荷重速さの影響を考察した.測定に数時間を要するので,実験中に試験片の含水率が変化することによって起こる影響を避けるために,2か月以上にわたって水浸して飽水状態に達した各試験片が実験に使われた.表1に示す試験片に,0.2から100kg/minの間で,比例限以下の荷重が繰り返し与えられた.その結果に基づいて,曲げ弾性率が荷重速さの変化によって受ける影響が考察された.さらに,比例限以下の繰り返し曲げ荷盟を与えた後,各試験片ごとに,異なるたわみ速さのもとで曲げ破壊試験が行われ,概略,つぎの結果が得られた.なお,この報告で表示される荷重速さとたわみ速さは,図1に示す曲げ荷重の与え方で,スパン中央部で測定された荷重とたわみに基づいている.曲げ弾性率(MOE)は荷重速さに影響を受けることがすべての試験片で確かめられた.すなわち,荷重速さの対数と曲げ弾性率との間には,正の高い相関関係が認められ,そこには樹種ごとに異なる相関関係が認められた.たわみ速さが速くなるにつれて,曲げ破壊係数が高くなった.また,曲をヂ破壊係数(MOR)に対する比例限応力度(σ_p)の比,すなわちσ_p/MORは,たわみ速さの増加に伴って大きくなった.なお,この実験で採用したスパンが28cm,曲げ試験片横断面が2CmX2cmの条件下では,たわみ速さが0.02mm/minのときのシグナ/MORは約2/5で,4.Omm/minでは約2/3であった.さらに,たわみ速さによる比例限応力度への影響には樹種間の差が認められた.比重と曲げ弾性率の間には,高い比重の樹種ほど荷重速さによる曲げ弾性率の変化が著しかった.This study deals with the mechanical properties of wood to examine the dynamic behavior under several loading rates. Wood specimens used in this study is as shown in Table 1. Effect of loading rate and deflection rate on nodulus of elasticity in bending was measured with repetitive loading test over the loading rate of 0.2 - 100kg/min in which applied load was less than proportional limit. Hence the effect of deflection rate on modulus of rupture and $ \fraq{{\sigma}_p}{MOR} $ were tested, where $ \sigma_p $ means proportional limit and $ MOR $ means modulus of rupture. The results may be summarized as follows. From the measured values, the modulus of elasticity, the MOE was given by the empirical equation, $ Y = a + b \times \log(x) $, where $ a $ and $ b $ are constants, $ x $ is loading rate (mm/min), and $ y $ is $ MOE $ (kgf/cm^2). This relationships between $ MOE $ and loading rate are described in from Fig. 2 to Fig. 5. The MOE increased linearly with the logarithm of loading rate. Modulus of rupture depended on the deflection rate as shown in Fig. 6, and the values, $ \fraq{{\sigma}_p}{MOR} $ increased with logarithm of deflection rate as shown in Fig. 8. The value of $ \fraq{{\sigma}_p}{MOR} $ at speed 0.02 mm/min was about 2/5 and at speed 4.0mm/min was about 2/3. From the result as shown in Fig. 9, it is assumed that the value of $ b $ in the formula abovementioned is proportional to the specific gravity.
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