充実性腫瘍との鑑別が困難であった繊毛性(前腸性)胆嚢胞の1例
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概要
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症例は57歳の男性. 前庭部小彎の IIc 型早期胃癌の診断をうけ, 手術目的にて当科入院. 術前検査として施行した ultrasonography (US) にて, 肝S4区域に大きさ 19×14mm の嚢胞性病変を認め, その内腔に嚢胞壁から隆起した充実性腫瘍を思わせる echogenic mass を認めた. Computerized tomography (CT) では病巣は low density area を呈し, 充実性腫瘍像は抽出されなかった. 早期胃癌に合併した短嚢胞腺腫 (腺癌) の疑いを否定できず, 手術を施行した. 術中 US でもより明瞭な echogenic mass を認めたため, 胃切除と同時に核手術を施行した. 摘出標本は単房性嚢胞で, 内容は灰白色粘稠な液体であり, 隆起性病変は認めなかった. 病理学的検索にて繊毛性 (前腸性) 胆嚢胞と診断された. 本疾患はまれな疾患であるが, US 検査で echogenic mass を呈する傾向があり, 充実性腫瘍との鑑別診断上重要であるを思われた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1994-05-01
著者
-
高野 定
熊本大学医学部第二外科
-
小川 道雄
熊本大学医学部第二外科
-
阿部 道雄
熊本大学医学薬学研究部消化器外科
-
阿部 道雄
済生会熊本病院外科
-
片渕 茂
国立病院熊本医療センター外科
-
高野 定
熊本中央病院外科
-
小川 道雄
熊本大学医学部第2外科
-
片渕 茂
熊本大学医学部第2外科学教室
-
片渕 茂
熊本大学医学部第二外科
-
加古 博史
菊南病院
-
加古 博史
熊本大学医学部第2外科
-
石丸 靖二
熊本大学付属病院病理部
-
高野 定
熊本大学 第2外科
-
小川 道雄
熊本大学医学部外科学第二講座
-
小川 道雄
熊本大学医学部外科学第2講座
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