最近15年間における高齢者胃癌手術症例の臨床病理学的推移
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概要
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近年,平均寿命の上昇に従い高齢者胃癌患者数も増加しつつある.教室で切除した過去15年間の75歳以上の高齢者胃癌症例数は前期(1973〜1977);17例,中期(1978〜1982);23例,後期(1983〜1987);38例の計78例であり,前期に比べ後期では約2倍に増加した.表在癌の占める割合が,5.9%から39.5%へと時期とともに飛躍的に増加したのに反し,進行癌は94.1%から60.5%と著明に減少した.手術直接死亡は中期に1例のみであり,各自期間に差はなかった.リンパ節郭清程度はいずれの時期にも60%前後にR_2郭清がなされたが,絶対的治癒切除率は29.4%から63.2%へと上昇し累積5年生存率も9.3%から50.5%へと有意に向上した.これには早期胃癌の発見率が高くなったことが大きく寄与していると考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1990-04-01
著者
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谷口 弘毅
京都府立医科大学
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高橋 俊雄
京都府立医科大学第1外科
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横田 隆
国立仙台病院外科
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山口 俊晴
京都府立医科大学消化器外科
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沢井 清司
京都府立医科大学第1外科
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山根 哲郎
京都府立医科大学第一外科
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伊藤 彰芳
舞鶴赤十字病院外科
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萩原 明郎
京都府立医科大学消化器外科
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佃 信博
京都府立医科大学第1外科
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大同 毅
京都府立医科大学第1外科
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伊藤 彰芳
京都府立医科大学第1外科
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塩飽 保博
京都府立医科大学第1外科
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横田 隆
京都府立医科大学第1外科
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清木 孝祐
京都府立医科大学第1外科
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沢井 清司
京都府立医科大付属病院中央手術部
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山根 哲郎
京都府立医科大学中央手術部
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