主軸回転速度振動を伴う再生型旋削びびり(第2報) : 連成状態における再生びびり系のエネルギー状態と位相特性

概要

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前報では, 主軸回転速度振動の連成に伴う再生びびり安定性の変化を, 振動振幅に注目して論議した, 本論文では, この安定性変化の機構を検討するため, 再生びびり系のエネルギー状態に注目したモデル解析を行った。また, 解析結果からびびり安定性変化に重要な影響をもつことが示唆された両モジュレーションおよび速度振動の位相特性の面から実験結果を再検討した。得られた主な結果は次のようである。(1)速度振動連成時の再生びびり系の振動エネルギーはある位相条件下で, 非連成時より増加することが解析的に示され, 実験的に観測された連成時の不安定化が裏づけられた。(2)モジュレーションおよび速度振動の位相状態はびびりの様相と密接に関係しており, びびりの初期, 過渡期, 定常期に対して, それぞれ特有の位相図が観測された。(3)速度振動の連成による顕著な不安定化が観測される場合には, 再生びびり系の振動エネルギーが極大となるような位相条件が一般に選択されており, びびりの発達が助長されている。
社団法人精密工学会の論文
1982-12-05