工具すくい面上に作用する応力の食いつき角による変化 : 断続切削時における食いつきの研究(第3報)
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概要
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正面フライス切削時の工具寿命が工具刃先の食いつき角E_aにより著しく変動する要因の一つは工具刃先に作用する過渡的な応力が食いつき角により変化することにあると考え, エポキシ樹脂製工具で鉛合金板をフライス切削する光弾性実験により, 種々の食いつき角における工具すくい面上の過渡的な応力分布状態を求めた.さらに, このようにして得られた応力分布をモデル化し, 有限要素法を用いて同じ切削過程における工具内応力を計算し, 光弾性実験結果を検証するとともに, 工具形状, 境界条件などを拡張して検討した.その結果, すくい面が被削材端面に対して正の角度で食いつくとき, 接触は刃元側から始まるが, 刃先付近でのすくい面に平行な応力σ_yは引張応力として作用し, 刃先が完全に食いつくとこの応力は圧縮応力に転じる.この引張応力はすくい面上の切りくずによる摩擦により誘起されるものである.このように刃先付近に食いつきごとに作用する交番応力がチッピングや欠損の発生要因の一つとなり, 工具寿命に大きな影響を与えていると考えられる.
- 公益社団法人精密工学会の論文
- 1981-08-05
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