ブリネル硬さ標準の設定と誤差評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ブリネル硬さは、その圧痕が大きなため一つの硬さ基準片での測定点数が少数(約10〜30)に限られる。このことがHB測定について精度高い誤差推定を困難にしている。この論文では、各々の測定条件の影響及び総合誤差を正確に推定するための手法について研究した。押込み速度、荷重の誤差、荷重保持時間及び圧子の直径の誤差を、圧痕作製に関する因子(標示因子)とし、L_9直交表に割付け、外側因子として反復、2台の試験機、さらに寸法読取りの因子として倍率、測定者、読取りの反復を割付けた実験によりそれぞれの誤差を評価するものである。HB圧痕は反復測定が可能であるので、その寸法測定誤差を全体の誤差から分離することができる。結果として得られたブリネル硬さ標準の誤差は、標準測定条件(H_B10/3000/10)で標準偏差で1.5〜2.3H_Bであり、押込み速度の影響は誤差に比して小さいことが明らかとなった。H_B試験の自動化のため押込み深さを測定する方法がとられる。結果としてその場合の鋼球圧子の変形の影響が、くぼみを測定する通常のH_B試験の場合に比し、大きいことが分かった。
- 公益社団法人精密工学会の論文
- 1980-03-05
著者
関連論文
- 支部会員と語る : 会誌の充実と財政的安定の両立のために
- 精機学会の新分野拡大の検討
- 3.3 座談会「いま『精密』とは」(3. 何ができたか、できつつあるか)
- 新しいぶどう酒は新しい皮袋に : これからの学会運営(会名変更記念特集/精密工学・工業とは)
- プラスチック成形工程におけるオンライン計測管理システムの設計(1)
- 顕微鏡測定における図形合わせの訓練方法とその効果
- 包丁の感覚切味の定量化
- 図形の角と標線との合致法における個人差発生原因
- ロックウェル硬さ標準設定の研究
- 官能検査の手法を応用したやすりかたさの解析