健常学齢児の平衡機能に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
健常の小学校の児童を低学年群(7歳と8歳)、中学年群(9歳と10歳)、高学年群(11歳と12歳)に分けて、平衡機能を比較検討した。対象となったのは、札幌市立M小学校に在籍する学級担任が体育科目で優れた児童と評価した、低学年群(38名)、中学年群(36名)、高学年群(38名)、計112名であった。重心動揺検査の結果、加齢に伴い、開眼・閉眼両条件で動揺面積や軌跡長が漸次減少するものの、統計的な有意差は認められなかった。しかし、開眼・閉眼条件間では全ての学年群で有意さが認められ、また、加齢に伴い測定値のばらつきも少なくなり、更に、動揺面積に比べると軌跡長の成熟が早い傾向が認められた。本研究結果からは、学齢期における重心動揺は、幼児期のような著しい減少傾向はないが、成人がとる値に向けて個人差が減少しながら接近していくという特徴が考えられた。また、重心動揺検査で測定される平衡機能の成熟過程が、被験者の発育や前庭感覚、固有感覚、視覚機能の成熟を適切に反映している可能性が示唆された。The equilibrium function of normal primary school students divided into three groups-lower grade (age 7 and 8, total 38), middle grade (age 9 and 10, total 36), and higher grade (age 11 and 12, total 38)- was studied using stabilometry. The (total 112) students were evaluated by the teachers as rating high in athletic ability. The results showed that a difference in the length and area of movements of the center of gravity between eyes open testing and eye closed testing was significantly large. However there were no differences noted in tests. The interesting features of these results were that, firstly, the score of the eyes closed testing was larger than that of the eye open testing; secondly, the older the students, the more the score gradually decreased in both tests; and thirdly, the maturity of the testees (those with high athletic ability) was more outstanding than that of other study reports. The first and second resulting features were similar to the other study reports. The third resulting feature suggests that students' growth and athletic ability might affect this.
- 札幌医科大学の論文
著者
-
仙石 泰仁
札幌医科大学保健医療学部作業療法学科
-
中島 そのみ
札幌医科大学保健医療学部作業療法学科
-
舘 延忠
札幌医科大学保健医療学部作業療法学科
-
舘 延忠
札幌医科大学保健医療学部
-
舘 延忠
滝川市立病院 小児科
-
舘 延忠
札幌医科大学 小児科
-
舘 延忠
札幌医科大学 大学大学院保健医療学研究科
-
瀧澤 聡
札幌医科大学大学院保健医療学研究科理学療法学・作業療法学専攻感覚統合障害学分野
-
中島 そのみ
札幌医科大学 保健医療
-
中島 そのみ
札幌医科大学 保健医療学部 作業療法学科
-
舘 延忠
札幌医大保健医療学部作業療法科
-
仙石 泰仁
札幌医科大学保健医療学部
-
仙石 泰仁
札幌医科大学大学院保健医療学研究科感覚統合障害分野
-
仙石 泰仁
北海道療育園
-
仙石 泰仁
札幌医科大学 大学院保健医療学研究科
-
中島 そのみ
札幌医科大学保健医療学部
-
瀧澤 聡
札幌医科大学大学院保健医療学研究科
関連論文
- 静的・動的平衡機能の変化からみた一卵性双生児の水頭症児に対する作業療法の効果
- 学習障害児の滑動性追従眼球運動におけるサッケード混入率と視覚認知機能との関連
- Aprataxin遺伝子変異(689insT)が認められた眼球運動失行を伴う失調症(Ataxia-oculomotor apraxia; AOA1)患者の臨床症状
- 研究Q&A 特別版 学会発表のためのポスターの作り方
- Fisher症候群の1女児例
- Pitt-Hopkins 症候群の1例
- 先天性筋強直性ジストロフィー症患者における4年間の握力変化
- 筋ジストロフィー症の運動療法
- 重症心身障害児・者における馴化-脱馴化能力の検討
- ウイリアムズ症候群児における視空間情報処理過程の特徴
- Walker-Warburg症候群と鑑別を要した福山型先天性筋ジストロフィーの1例
- 健常学齢児の運動イメージの発達-カードによる連続動作再認課題による検討-
- ホルマリン固定組織からのDNA抽出法とPCR法による遺伝子解析
- 261 脳炎発症後の急性期理学療法(神経系理学療法4)
- 先天性筋強直性ジストロフィー症における3塩基反復配列(CTGリピート)数と筋組織所見の関係
- 視覚-運動協応課題による運動制御の分析 : つまみ動作を用いて
- ベイリー乳幼児発達検査2による6ヶ月児への発達調査 : その3 : JDDSTからみた妥当性の検討
- ベイリー乳幼児発達検査2による6ヶ月児への発達調査 : その2 : 行動面の評価について
- ベイリー乳幼児発達検査2による6ヶ月児への発達調査 : その1 : 精神発達, 運動発達の結果について
- ウイリアムズ症候群の認知障害の特徴 : K-ABCとWISC-3による特徴の検討
- 幼児期に「言葉の発達の遅れ」を指摘されたADHD児の長期経過
- 札幌医科大学附属病院リハビリテーション部における小児理学療法の現状
- 健常者の情報処理の特性を評価するための新しい二重課題法の開発
- 健常学齢児の平衡機能に関する研究
- DCM様心筋障害を合併した軽症肢帯型筋ジストロフィーの1例 : 日本循環器学会第62回北海道地方会
- 軽度発達障害児のレトロスペクティブに見た発達状況について : 第2報 ADHD児とLD児の乳幼児期の発達状況の相違
- 軽度発達障害児のレトロスペクティブに見た発達状況について : 第1報 診断名と主訴との関連について
- 軽度発達障害児の幼児期の発達特性
- F-20 Paroxysmal kinesigenic choreoathetosisの発作時ビデオ脳波同時記録
- 社会的不適応を示す軽度発達障害児に対する家族参加型集団作業療法の保護者の視点から見た意義
- DV over IPによるビデオ会議システムを用いた学内演習の試み
- 視覚刺激と聴覚刺激を用いた反応時間課題の臨床応用 : 適用事例の実験結果と生活状況との関連
- 内分泌攪乱物質による小児の健康への影響 : 特に神経行動発達について
- 内分泌かく乱化学物質の小児への影響に関する疫学研究 : 現状と課題
- 内分泌かく乱化学物質等の小児への影響を評価するための疫学研究(概要と予備的報告)
- グループ学習の新しい方法ー保健医療総論IIIー
- 生後6ヵ月児に対するベイリー乳幼児発達検査-第2版による発達評価とその有用性
- 視覚刺激と聴覚刺激を用いた反応時間課題の臨床応用 : 新しい分析指標と基礎データ
- 慢性肺気腫患者の呼吸困難と心因的問題
- 作業療法場面における発達障害児の社会的行動の評価
- 施設入所している重症心身障害児・者に実施している遊びの分析
- 29-24.筋緊張性ジストロフィー症(myotonic dystrophy ; MyD)CTG repeatの遺伝子解析 : 先天型MyDの出生前診断を行った1症例(第144群 妊娠・分娩・産褥期27)(一般演題)
- 滑動性追従眼球運動と視覚認知機能との関連
- 高齢障害者の終末期における作業活動の意味 : より生きがいの感じられる作業活動を目指して
- 慢性呼吸不全患者の呼吸困難と心因的問題
- 座標系理論に基づいた半側空間無視症例への評価と治療介入
- 視覚・聴覚弁別課題を用いた二重課題から見た健常者とPDの情報処理の特性
- 遂行機能障害を示した右被殻損傷例への作業療法
- パーキンソン病患者の dual task の影響
- 学習障害児の滑動性追従眼球運動におけるサッケード混入率と視覚認知との関連
- 行動のプランニングに障害を示した右被殻損傷例への作業療法
- 高齢者における知的機能と問題行動との関連について
- 急激に回復した低酸素脳症患者へのOT訓練の経験
- 痴呆性高齢者に対する作業療法の一環としてのビデオ鑑賞の治療的意義に関する研究
- 料理の再獲得や継続に影響を与える因子の検討 : 女性片麻痺事例における生活史の縦断的分析から
- 複数の異なるつまみ型での手指機能評価の試み : 男女差について
- 手指巧緻性の発達評価としてのつまみ力 : 幼児と若年者の様々なつまみ型におけるつまみ力の比較
- 線引き課題における筆記用具の把持形態と操作性の発達的関係
- 環境と子どもの健康に関するコーホート研究について : 子どもの発達評価とその課題
- 滑動性追従眼球運動と上肢運動との協応パターンについて
- 物体把握時の手関節の役割
- 学習障害児の滑動性追従眼球運動におけるサッケード混入率と視覚認知機能との関連
- 筋強直性ジストロフィー症CTGリピートの Non-RI PCR サザン法による解析
- 父親由来小児筋強直性ジストロフィー症に関する研究
- 日常生活活動を考える(1)食行動について
- 重症心身障害児施設における座位保持装置の使用状況に関する調査研究 : 作製目的と実際の使用状況に焦点を当てて
- 痙直型脳性麻痺児の crouching gait とその定量化に関する研究
- 発達障害児の集団訓練における評価方法
- 反応時間課題を用いた注意障害評価法の開発
- 北海道における喫煙とたばこ依存の実態 : アルコール依存との関係
- 女性の喫煙実態 : 飲酒行動との関係について
- フェイスマウントディスプレイを用いた視知覚能力評価の可能性について
- 二重課題法による健常者の反応時間の分析 : 課題内容が二重課題に与える影響について
- 半側空間無視患者に対する机上検査結果とADL場面での無視症状との関連
- マルチメディア医療情報ファイルの管理・配信と協調作業支援システム
- Inspection Timeの測定機器の開発と臨床応用の可能性について
- 線引き課題における筆記用具の把持形態と操作性の発達的関係に関する予備的研究
- マルチメディア情報の共有を支援するソフトウェアの開発
- つまみ型とつまみ力の関係 : 若年者と高齢者の比較
- 重症心身障害児施設における座位保持装置の使用状況に関する調査研究 : 製作目的と実際の使用状況に焦点を当てて
- 黒龍江省小児脳性麻痺防治療育中心(黒龍江省脳性麻痺療育センター)における肢体不自由児療育の現状
- 半側空間無視患者における異なる空間に提示した線分二等分課題の結果とADL場面での行動との関連
- 視覚刺激に対応した目と手の協応課題による不器用さの分析ー視覚刺激に対応した目と手の協応課題による不器用さの分析に向けてー
- 女性の日常生活の中で料理の遂行を動機付ける因子に関する家族形態および年代別の検討
- 運筆の速度変化と注視状態に基づく新しい上肢機能評価システムの開発
- 統合保育場面における障害児の相互交渉能力を視点にした行動評価の試み : 精神発達遅滞を有する1症例を通して
- 遺伝性疾患における遺伝子変異のスクリーニングと遺伝子解析
- X染色体劣性遺伝ミオチューブラーミオパチーの遺伝子解析
- 生後の行動発達と環境要因 : いつ何をどう評価するか?
- 痙直型脳性麻痺児の筋病理学的所見と臨床症状の関連
- 水頭症2症例に生じた平衡機能障害に対する作業療法効果に関する研究
- 青年期学習障害者の長期フォロー経過について
- 線引き課題における筆記用具の把持形態と操作性 : 幼児期おける発達的特性について
- 脳損傷患者の抹消課題における抹消パターンの定量的分析の試み
- 青年期の高機能広汎性発達障害における対人コミュニケーション行動の評価と特性 : 応用行動分析学の視点から
- 運筆速度と筆圧の変化に着目した運筆遂行能力の評価
- 自己学習支援システムの構築と予備的評価
- 青年期学習障害者の長期フォロー経過について
- 北米における作業療法の将来 (特集 世界の作業療法 : その実情とWFOT2014への期待)
- 成熟期雄ラットにおける習慣的アルコール摂取が骨構造におよぼす影響