夏季の南極点付近における雪結晶の観測(日本南極地域観測隊の報告)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1968年9月から1969年2月にわたって行なわれた,昭和基地-南極点往復調査旅行の際,6地点でレプリカ法による雪結晶の観測が行なわれ,その内観測地点903(87°20'S,39°52'E),Pole,771(82°48'S,40°32'E)の3地点できれいなデーターがとれたので解析を行なった.その結果,すべての地点で観測時の気温(-26°〜-30℃)から推定されるように,結晶形は単砲弾,砲弾集合,角柱,側面結晶が多かった.しかし,同じ地点でも観測時間の相違によって,砲弾結晶と角柱結晶のみの場合と,側面結晶のみの場合があり,これは両者の過飽和度の差によるものと考えられた.単砲弾の,c-軸の長さは同じ南極でのGow(1965)の観測よりかなり長く,菊地(1968)の北海道の値とほぼ同じであったが,軸比(c/a)はかなり大きな値を示した.また昭和基地で菊地(1969,1970)によって発見されたと同じような図6に示す畸形雪結晶がいくつか発見された.
- 国立極地研究所の論文
著者
関連論文
- 冬季北極域における積算水蒸気量・雲水量及び赤外放射量の観測
- AVHRR/NOAA, SSM/I及びレーダーを用いた北海道西海岸帯状雲の特徴の解析
- 1988年9月22日千歳竜巻のライフサイクル
- II. 2. 北極域・南極域の降雪粒子(第 2 回極域気水圏シンポジウム報告)
- 魚眼レンズカメラ2点観測による南極昭和基地の夏季の雲高について
- 魚眼レンズカメラ2点観測による南極昭和基地の夏季の雲高について
- 夏季の南極点付近における雪結晶の観測(日本南極地域観測隊の報告)
- 極地装備用毛皮,布地の着雪現象
- 北海道有珠山における泥流発生にかかわる降雨特性(II) : 降雨強度
- 北海道有珠山における泥流発生にかかわる降雨特性(I) : 総雨量・日雨量
- 降雪機構からみた北海道の酸性雪
- 強い鉛直シアー中に発生した波状エコーのドップラーレーダー観測
- 第10回国際大気電気学会(大阪大会)報告
- 冬季の海上の層積雲の構造と反射率
- 昭和基地における重力の潮汐変化の観測
- 男鹿半島潮瀬の岬砂礫岩にみられるホルンフェルス礫の起源 : 新第三系グリーン・タフ層基盤の再検討 (その2)
- 朝日山地の白亜紀後期田川酸性岩類:新第三系グリーン・タフ層基盤岩の再検討
- 昭和基地付近産岩石の絶対年代とその考察
- 南極大陸の先カンブリア系
- 1988年7月に長崎県で観測した梅雨末期の豪雨のメソスケールと対流スケールの特徴
- ニセコ着氷観測所実験機に関するその後の疑問
- 功績賞を受賞して
- ノルウェー海上のポーラーローの航空機観測
- 雪の結晶の雲粒捕捉について (I)
- 冬期の雲粒の電荷測定
- 2010年秋季極域・寒冷域研究連絡会の報告(研究会報告)
- 1995/1996年の札幌付近の大雪
- 雪結晶分類小史(情報の広場)
- 表層土壌の相違が積雪含水率と雪質に与える影響
- 中緯度と極域での観測に基づいた新しい雪結晶の分類 : グローバル分類
- On the Electrification of Snow Crystals by their Melting
- Food Reports of the Hokkaido University Scjentific Expedition on the Mendenhall Glacier, Alaska
- On the Electrification of Snow Crystals by their Melting, II
- 第10回国際大気電気学会(大阪大会)報告
- 若狭湾周辺に冬季雷をもたらす雪雲の観測 : 1995年1月6日の事例について