塩漬けによるワラビ無機成分の動向と食味との関連について
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概要
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山菜の長期保存のために高濃度食塩で塩漬けをする場合には、あく抜き操作無しにすぐに漬け込み、そして喫食時に塩抜きをするとあくは抜けていることが知られている。そこで、塩蔵によるあくの消長と物性、無機成分との関係についてワラビを試料として検討を行った。その結果、塩蔵後塩抜きしたワラビの官能評価は、色では重曹であく抜きしたワラビよりも低かったが、歯ごたえやえぐみにおいてはそれらの間に有意な差はなく、また、3種の塩抜き方法による差はいずれの項目においても認められなかった。ワラビ葉柄上部の硬さは4ヵ月塩蔵後は生よりも増加したが、下部は変化がなく、結局4ヵ月塩蔵後は、部位や塩抜き方法による差がみられなかった。いずれの無機成分も塩蔵液や塩抜きのための水さらし液、ゆで液に多く含有されていたが、ワラビ中に残存する量は、KやMgは生やゆでよりも減少、Naは増加、そしてCaはほぼ同量であった。さらに,水可溶区分に存在する割合は水不溶区分に存在する割合よりも少なかった。以上のことより、単一の無機成分の増減が直接えぐみに影響するとは考えられない。
- 1996-02-20
著者
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