鉄板焼き調理のモデル試験
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概要
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鉄板焼き調理の試験装置を試作し、食品材料を使用しない場合について、鉄板表面の温度変化、試作油の添加方法および加熱時間を一定にする方法などを検討し、ほぼ再現性のある試験方法を設定することができた。この試験方法により、加熱温度、加熱時間、油の比表面積および油の種類などと油脂の変質の関係を試験した結果次のことが認められた。1.比表面積55.0cm^2/gで大豆油を加熱した場合、150℃・10分の加熱ではAV、POVおよびCVのいずれの恒数においても、ほとんど変質の進行が認められなかった。2.比表面積82.5cm^2/gで大豆油を加熱した場合、CVが50meq/kgまで変質するときの加熱温度と加熱時間の関係は、160℃では、10分以上、180℃では6分、200℃では2.7分、220℃では1.1分、240℃では0.5分、260℃では0.25分であった。3.油の比表面積と油脂の変質は正比例し、温度および時間などの加熱条件が厳しくなる程比表面積の影響が強くあらわれることが認められた。4.油の種類と油脂の変質の関係においては、コメ油およびコーン油の加熱安定性が良好であり、ラードおよび牛脂などの固形脂は高温になるほど変質度合が大きくなる傾向が認められた。
- 日本調理科学会の論文
- 1989-09-20
著者
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