女子学生の保健学的研究(第2報) : 月経周期について
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概要
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1.初潮後の順調度は, 昭和56年度から60年度の5年間(以下略して5年間とする)は, 初潮後6カ月位で順調になった者約4割, 1年位で周期の安定をみた者約3割, つづいて2年の経過を要した者約3割である。2.月経周期の, 5年間の全体的傾向は, 頻発者4.1%, 正常者71.3%, 稀発者7.9%, 不順者16.2%である。3.月経周期における頻発型・正常型・稀発型の型別では, 5年間の著しい年度差はなく, 正常型8.6割, 稀発型約1.0割, 頻発型約0.5割であり, 大半の者が正常型に属している。昭和45,55,60年の15年間(以下略して15年間とする)の比較では, 近年次にむけて, 月経周期は正常型の方へ移行し, 頻発, 稀発型とも減少の傾向にある。4.月経周期における定期型, 不定期型の5年間の傾向は, 各年度とも定期型約80〜85%, 不定期型約15〜17%で変動はない。15年間の比較では, 月経周期が定期的に来る者が著しく減少している。これに反し, 不定期型は著しく増加している。このことから, 思春期後期の18歳齢にもかかわらず, 不順, 初潮後1回のみなどの不定期者がふえていることが考えられ, 保健学, 医学的見地からの個別指導の必要性が示された。5.1年間に何回月経をみるかについては, 昭和56年〜60年度調査(5年間)では, どの年度も同じ傾向である。最上位は12回約50.8%, 11回10.7%, 13回8.6%などであり, 月経周期30日型の者が約6割を占めている。6.月経持続日数の5年間の傾向は, 各年度とも変化がない。全体として, 5日間, 6日間, 7日間とも3割, 4日間約1割である。持続日数が1日および10日の異常範囲にある者は, ごくわずかであった。一般的に平均的持続日数は, 4日〜6日間といわれている傾向が, 15年間の比較によると, 5日〜7日間に移行し, 定着していることが顕著に示された。月経持続日数4日〜7日間の者は, 昭和45年, 55年, 60年度とも約9割以上出現しており, この結果から, 1カ月のうち約一週間を月経期間として過ごしている者が約3割いることがわかった。7.月経多量日の5年間の平均をみると, 2日目約8割, 1日目約1.2割, 3日目約1割である。昭和55年と60年度の比較をみると, 1日目, 3日目は減少の傾向を示し, 2日目が増加していて, 8割を占めており, 大半の者が2日目を多量日としている。
- 1988-01-25
著者
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