Mazindol 投与後、交流分析的アプローチが奏効した神経性過食症の1例
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概要
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今回、我々は mazindol 投与後に交流分析的アプローチが奏効した過食症の1例を経験したので報告する。症例は20歳、女性で、18歳時にダイエットを開始し、過食、下剤乱用、抑うつ気分を主訴に当科に来院した。神経性過食症(DSM-III-R)と診断され、当科入院となった。向精神薬による薬物療法、交流分析、行動療法を施行したが、治療に抵抗し、症状が増悪した。しかし、食欲抑制効果のある mazindol のみが過食行動を抑制した。両親とボーイフレンドの協力を得て交流分析を学習し、抑うつ気分などの症状は徐々に改善した。交流分析的見地から本例の発症機序や病態に関して考察し、mazindol の食欲抑制効果が過食症の治療において貢献しうることが示唆された。
- 1996-08-01
著者
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高畑 紳一
県立広島病院精神神経科
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萬谷 智之
(財)東京武蔵野病院
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森岡 壮充
広島市立安佐市民病院神経科精神科
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山口 博之
賀茂精神医療センター
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倉本 恭成
広島静養院
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高畑 紳一
広島市立安佐市民病院神経精神科
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萬谷 智之
国立療養所賀茂病院
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馬屋原 容子
蔵王病院
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倉本 恭成
広島市立安佐市民病院神経科精神科
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萬谷 智之
社会保険広島市民病院精神科
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