日本および台湾産のいわゆるツマグロオオヨコバイについて
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概要
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ナシ, クワ, チャ, 種々の漿果類, サトウキビなどを加害する多食性の害虫として, 本邦でよく知られているツマグロオオヨコバイは, これまでBothrogonia ferruginea(FABRIOIUS)の学名が用いられ, 本州以南東洋熱帯地方, 更にアフリカにかけて広い分布をする種とされてきた。今回, 日本産と台湾産の標本を研究したところ, いずれもそれとは縁の近くない別種で, 日本産のものは新種とすべきものであり, 台湾産のものも日本産にきわめて近縁ではあるが, 明らかに別種であることがわかった。したがってBothrogonia ferruginea(FABRIOIUS)は日本列島には分布せず, 日本産にはBothrogonia japonica ISHIHARA, 台湾産には, 色彩の異常な個体をタイブスペシメンとしたものであるが, Bothrogonia formosana(MATSUMURA)を当てるべきことを明らかにした。なお, 和名は, 日本産にはツマグロオオヨコバイをこれまでどおり用いるべきであるが, 台湾産には原記載に示されているホソツマグロオオヨコバイより, 種小名に準拠してタイワンツマグロオオヨコバイと呼ぶほうが妥当と思い改称した。
- 1962-12-20
著者
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