ミナミアオカメムシ Nezara viridula の冬季死亡率と性別・越冬場所との関係
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概要
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ミナミアオカメムシの3化期成虫の大部分はスギやイブキの生垣内やキミガヨランの葉のあいだなどで冬を越す。越冬中の平均死亡率はスギ : 38.0%, キミガヨラン : 64.6%, イブキ : 86.0%であった。♀の死亡率は♂に比べて平均11%低かった。冬季死亡率♀♂の差の結果, 越冬地における性比(♀/♀+♂)は越冬前の48.3%から越冬後の54.5%に変った。他方, 野外における越冬前の性比は晩期栽培水稲のは場で, 越冬後の性比はナタネおよびコムギ畑で調べた結果, それぞれ47.2%, 54.4%で越冬の性比とよく一致した。越冬場所による死亡率の違いは分布の境界地帯では, ミナミアオカメムシの個体群の存続が好適な越冬場所の有無に大きく左右される点で重要である。また♀の冬季死亡率が♂より低い結果, 生殖個体群の♀性比が高くなることは, 個体群密度をより高く保とうとする生物の内的要求にも合致する。1対の2化期の成虫から4.3頭の越冬成虫が生ずると計算されるが, もの羽化から越冬場所および越冬後産卵に至るまでの死亡を考えれば, この値はなお低くなると考えられる。
- 1962-09-30
著者
-
桐谷 圭治
高知農技研
-
法橋 信彦
農環研
-
桐谷 圭治
和歌山県農業試験場朝来試験地
-
木村 勝千代
和歌山農試朝来
-
法橋 信彦
和歌山県農業試験場朝来試験地
-
木村 勝千代
和歌山県農業試験場朝来試験地
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