タマナヤガ, ヨトウガ, ハスモンヨトウの幼虫の昼間の生息場所に関する実験
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概要
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タマナヤガ,カブラヤガ,ヨトウガ,ハスモンヨトウの各幼虫の昼間の生息場所及び潜土性を,25°C, 16時間照明の実験条件下で比較検討し,走光性についても予備的な実験を行なった。結果は次の通りである。1) シャーレ内のハクサイ葉片上に幼虫を放った場合,タマナヤガは1・2令の間は葉片上に付着していたが,3令で半数,4・5令で大部分,6令(終令)で大部分又は全部が地中(バーミキュライト中)に入った。ヨトウガは5令で一部,6令(終令)の初期から大部分又は全部が地中に入った。ハスモンヨトウはヨトウガに類似していたが,蛹化の直前になってから潜土するものが多かった。2) ガラスポット内に生育中のササゲ豆の幼植物に幼虫を放った場合,タマナヤガは1令で植物上,特に頂芽にもぐるものが多かったが,行方不明の虫も多かった。2, 3令では地表(バーミキュライト上)の物かげにいるものが多く,4・5令で大部分,6令(終令)で全部が地中に入った。カブラヤガはタマナヤガに類似し,ヨトウガではシャーレ内の実験とほぼ同様の結果を得た。ハスモンヨトウは1∼3令では大部分が植物上に静止したが,4令以上では落下するものが増加し,5・6令では蛹化直前を除いて地表にいるものが大部分であった。3) 60cmはなれた60W白色光に対する反応実験において,ハスモンヨトウとヨトウガでは,若令時はプラスの走光性を示したが,中間令では不明瞭となり,老令特に蛹化近くではマイナスの走光性を示した。カブラヤガは,はじめから17日目まで終始走光性は明らかでなく,タマナヤガは17日目(蛹化直前)にマイナスの走光性を示したが,それまでは走光性は不明瞭であった。従がって,地中に潜入する性質の変化や種間の差を,走光性だけで説明することは出来ないようである。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1973-12-25
著者
-
辻 英明
三共農薬研究所
-
辻 英明
三共株式会社農薬研究所:(現)環境生物研究会
-
横井 進二
三共株式会社
-
横井 進二
三共株式会社農薬研究所
-
辻 英明
環境生物研究所
-
小美野 禎司
三共株式会社農薬研究所:(現)三共株式会社農薬部普及課
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