ヒメジの顔面味覚系 : 触鬚の味葉の神経支配様式と顔面葉での体部位局在構築(<総説特集>水棲動物の化学受容)
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概要
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ヒメジの仲間は下顎に一対の触鬚(しょくしゅ)を持ち、これを海底の砂に埋もれた餌を探し出すためのプローブとして使う。この総説ではこの触鬚の味覚系の神経機構について紹介したいと思う。味蓄は触鬚の全表面に多数分布し直行型の高度に組織化された神経支配を受けている。触鬚には舌顎枝が入り込みこれより多数の長軸神経束が生じる。1本の長軸神経束はしばらく触鬚の先端に向かって走り、その後直角に2分して内側と外側を走る2本の環状神経束になる。長軸神経束は基部から先端に向かって連続的に環状神経束を形成し、その数は触鬚1mm当たり約15本である。1本の環状神経束は14個の味蓄からなるクラスターを2個支配している。第一次中枢は背側顔面葉、腹側顔面葉、迷走葉からなる。特に背側顔面葉が発達していてその表面には内部に折り込まれた多数の皺があり、それによってできた小葉の内部は細胞層と線維層からなる層構造になっている。背側顔面葉には触鬚が拡大された見事な体部位局在構築があり、触鬚は4度折れ曲がった形で基部から先端へと連続的に表現されている。
- 日本味と匂学会の論文
著者
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清原 貞夫
鹿児島大学・理・生命化学
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桐野 正人
鹿児島大学・理・生命化学
-
坂田 陽子
鹿児島大学・理・生命化学
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坂田 陽子
鹿児島大学理学部生命化学科
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清原 貞夫
鹿児島大・院理工
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桐野 正人
鹿児島大・院理工
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