土壌中におけるリン酸一カルシウムの行動に関する研究(第1報) : 特に局部濃厚施用のリン酸一カルシウム溶解について
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概要
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[Author abstract]The solubilities of applied Monocalcium Phosphate Monohydrate studied with small water in the soils. The reaction products which contacted with small volume water (50 % of the field capacity content) during several period treatment from 1 day to 90 days were plotted as a function of chemical potential on the basis of their solubility products. The occurrence of the differential ionic strength against MCP added soil: H_2O of same conditions was variant. Generally for the volcanic soil, ionic strength decrease considerably as the MCP-soil contacted peoriod prolong, and soil: H_2O ratio effect did not appear remarkably. The results of equilibrations of the phosphate with soil in which powdery MCP contacted with a limited water strongly suggest that the solution saturated to Dicalcium phosphate Dihydrate (DCPD) salt. The average pk_<sp> value of DCPD salt to phosphate heavy addition treatments was found to be very near for pure DCPD pk_<sp> value. Its experimental pk_<sp> value was 6.45 except for little added MCP of the volcanic soils treatments. The exprimental pk_<sp> value of little MCP addition for volcanic soil showed larger than pure DCPD pk_<sp> value. In this case, the activity of HPO^-_4 is very low and with respect to H_2PO^<2->_4 activity, its decrease in little added MCP are indicted remarkably, so that a continuous removal of the phosphate ions from solution during the treatment period was interpreted as a reaction of phosphate in solution with active oxides of Iron and Aluminium.[要約]土壌の水分保持を圃場容水量の50%になるようにして、酸リン酸石灰の主成分であるリン酸-カルシウムー水和物を局部濃厚施用を想定して塊状に三種類の土壌に加えその変転性について追求した。リン酸塩添加量の差から溶出する成分量を経日的に測定し、固相成分の推定を平衡溶液中のイオン種の関係から求める溶液化学的方法で行った。これらの結果より次の諸点を要約として上げることができる。1. 土壌とリン酸の反応性の強弱がリン酸塩添加し接触処理後の水量の違いによる平衡溶液中の諸成分量によく表われた。溶存する成分濃度が水量の違いによって少ないのが火山灰土壌であって、土壌リン反応が早いことを意味し、大きな差を示すのが鉱質酸性土壌で反応が遅く弱いことを示した。2. 平衡溶液中のHPO_4^<-2>イオンのH_2PO_4^-イオンに対する比率は本条件下では最高28.8%で最低が0.02%を示し、このリン酸塩の極く少量の水による溶解時の主要イオンはH_2PO_4^-であった。3. 火山灰土壌では経日的にイオン強度の減少が著しく、鉱質酸性土壌に比較しH_2PO_4^-, Ca^2の活量は低く、HPO_4^<-2>の活量は逆に高い。この傾向はリン酸塩の添加量が増し、土壌との接触が長いほど強く表われた。4. リン酸二石灰二水和物の活量溶解度積pK_<sp>は本実験条件下では6.45であり、リン酸塩溶解時にその生成を示す数値である。5. 火山灰土壌-のリン酸塩少量施用に対しては一時的にリン酸二石灰二水和物を生成するが暫次消滅してAl^<3+>, Fe^<3+>と H_2PO_4^-のイオン反応が主反応となる。
- 1971-03-15
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